最大の原因は人手不足です。ECMOや人工呼吸器を扱える専門的な知識と技術や経験を有する「集中治療専門医」や「救命救急医」が足りないのです。また、日本の医療機関は民間が8割で、公的医療機関が2割しかないことも、コロナ対策で後れをとった原因です。
岸田政権はこの病床確保を急いでいるそうですが、人材不足とシステムの問題ですから、一朝一夕にできることではありません。いま、私が言えることは、ともかく、近所にいつでも診てもらえる「かかりつけ医」をつくってほしいということです。ワクチン接種、PCR検査などもすべて窓口になってもらえるので、早急に「かかりつけ医」をつくることをお勧めします。
仮にオミクロン株の弱毒化で、コロナがインフルエンザ、風邪並みになったとしても「かかりつけ医」は大切です。
■富家孝(ふけ・たかし) 医師、ジャーナリスト。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授、新日本プロレスリングドクターなど経験。「不要なクスリ 無用な手術」(講談社)ほか著書計67冊