経営者目線

ワタミSDGsで外食最高評価 年末ルーティンは「日記」と「手帳」

zakzak
コロナ禍でもSDGs経営に取り組む
コロナ禍でもSDGs経営に取り組む

2021年もあと3日を残した。外食産業は厳しい経営を強いられたが年末は必ず、「今年もいい1年だった」と口にする。「すべきことはできた」と思っている。何よりも元気で楽しく仕事ができて、家族と毎日明るく過ごせた。これ以上の幸せはない。

私には年末のルーティンがある。河口湖の別荘で1年に一度だけ、日記を読み直し、来年一年間のイメージを描き手帳に書き留める。この作業に丸一日を費やす。私はかなりの「計画好き」だ。しかしその根底にあるのは、人生は有限な存在だということだ。母親を10歳で亡くしたとき、そのことを強烈に知った。だからこそ、人生で「なんとなく」の時間が一番もったいない。「緊急で大切なこと」に時間を使う人は多いが、私は「緊急でないけど大切なこと」にいかに時間を割くかを意識する。現状維持でなく、未来を豊かにするには、それしかない。

無論「緊急でもなく大切でもないこと」には時間は割かない。人と人との交流も同じで「君子の交わりは淡い」と考えて、同じ人と月に何回も飲食やゴルフをすることはない。時間を有効に使いたい性分があってこそ、今の私とワタミがあるのは間違いない。

未曽有の危機の中、一人の早期退職やリストラをせずに年末を迎えられたことはうれしい。

昨今、大手企業が相次ぎ早期退職を発表するが、ワタミはそれをしないと決めている。早期退職はしないと決めた上で経営することで、道なき道が開ける。一時的にスーパーなどに外食社員を出向に出したが、社員もよくがんばってくれた。

うれしいニュースとしては、今年11月に「日経SDGs」調査で外食企業最高位となる三ツ星に認定されたことだ。利益を出すだけの経営もある。しかし、ワタミはSDGs(持続可能な社会の実現)経営にこだわる。わざわざコストをかけて、ワタミの宅食のお弁当容器を回収してリサイクルしている。本社ビルや工場の電気を再生エネルギー100%にし、「RE100」に取り組んでいる。莫大(ばくだい)な投資をして岩手県陸前高田市にワタミオーガニックランドを開業した。「戦略・経済価値」「社会価値」「環境価値」「ガバナンス」の4分野でSDGs評価をいただいたのはありがたいが、まだまだ伸びしろはある。

私が掲げるのは「SDGs経営で1兆円企業」だ。そこには再生可能エネルギーを利用した循環型6次産業モデル「ワタミモデル」というビジネスモデルを世に問うためには1兆円規模が必要だと考えるからだ。政治は「法律」と「予算」だが、経営は「モデル」で未来を変えることができる。

国会議員をやめてから、この夕刊フジで私なりに政治に意見をしている。今の日本の政治は「緊急でないけど大切なこと」を意識することが欠けている。

その提言は続けていきたい。 (ワタミ代表取締役会長兼社長・渡邉美樹)