疑惑の政務活動費 京都市議の夫婦泥沼バトル

産経ニュース

京都市の豊田恵美市議(41)の政務活動費の不正支出疑惑をめぐって、師走の古都が揺れた。週刊誌に疑惑を告発したのは、市議の夫。同じ日にそれぞれ記者会見し、市議は改めて不正を否定する一方、夫も妻の不正を再度主張した。離婚協議中という2人の対立が続く中で、公金である政活費をめぐっては交付条件が緩いといった京都市議会の問題点も見えてきた。

主張は平行線

〈けがをして働いていない期間の給与が政活費に計上されている〉

発端は、豊田市議の夫、貴志氏(46)の証言を受けて、令和3年12月上旬に週刊文春が疑惑を報じたことだ。

疑惑は、事務所職員だった貴志氏がけがで働いていない期間に政活費から給与を不正支出し、豊田市議が管理する貴志氏名義の口座に振り込んだというもの。貴志氏が2年3~11月、交通事故でけがをして働けないとした「休業損害証明書」を保険会社に提出していたという。

これに対して、豊田市議は文春が発売された3年12月9日以降、3回にわたり市役所で記者会見。「夫婦で地域のミニ集会に出たり地域相談をしたりするなど労働実態はあった」と貴志氏の主張を真っ向から否定した。

豊田市議は、2年3月、貴志氏が街宣車を運転中に追突されけがをしたが、その後も普通に生活して働いていたとし、「大けがをして休業したという認識はない」と強調した。

ただ、貴志氏が休業していたとされる2年4~11月分を含む2年度分の給与約137万7千円だけでなく、元年度分(約80万円)までさかのぼり、すべての給与計約218万円を市に返還した。豊田市議は、一貫して不正支出を否定した上で、返還理由について「議論が平行線をたどり、長期化することを避けたい」とした。

さらに3年12月14日付で自民党から離党し、所属していた市会の自民会派も離脱した。

同じ日に夫も会見

これに対して、貴志氏も反論。16日には、豊田市議が会見した後に、自らも同じ場所で会見を開いた。「告発という形は決してほめられたものではないが、これは夫婦の問題ではなく公金の問題」と強調。通院記録などを示しながら、「2、3日に1度は通院し、多くの時間は家庭で過ごしたので労働実態はなかった」と主張した。

豊田市議は平成31年4月の市議選で初当選した。府議と市議を計3期務めた貴志氏は、令和元年6月から事務所職員として従事。貴志氏が議員をしていたころは、豊田市議がサポートする立場だったというから、完全に立場が逆転した形だ。

問題発覚は夫婦関係のもつれとの見方もあるが、公金である政活費をめぐる対立だけに真相が注目される。

基準が甘い京都市会

一方で、他市議会と京都市議会との違いも露呈した。京都市議会では議員1人当たり月40万円、年間480万円の政活費が交付され、調査研究費▽要請・陳情活動費▽補助職員雇用の人件費▽事務所費-などの項目に使用できる。今回問題となっているのは、人件費。京都市議会では親族を職員として雇用することが認められているが、他の市議会はどうなのか。

「このようなケースは起こらない」と話すのは横浜市会議会局担当者。平成25年に定めた手引に、「配偶者で生計を同一にする親族を雇用する場合は、政活費の充当はできない」と明記されているためだ。大阪市議会も同様の規約がある。さらに厳しい要綱を設けているのは神戸市議会で、「議員と同居する者、同一生計を営む者、配偶者および1親等の親族」には、どのような名目でも政活費を支出できないとしている。

京都市は危機的な財政難に見舞われており、豊田市議夫妻の問題を契機に、政活費のあり方の見直しも迫られそうだ。

政活費などに詳しい神戸学院大法学部の上脇博之(ひろし)教授(63)は、豊田市議夫妻の問題について「〝夫婦げんか〟の延長という面もあり、どちらの主張が正しいのか最後まで見極めないといけない」と指摘。その上で、家族が政治活動にかかわると疑惑が生まれやすく、不正も起こりやすくなるとした上で、「他に比べて京都市議会の政活費の基準は甘すぎる。これを機に考え直すべきだ」と述べた。(田中幸美)

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