変容した自民派閥 「領袖を首相に」は1派のみ

産経ニュース

10月末の衆院選後、自民党6派閥のうち3派閥が代替わりした。最大派閥の旧細田派はすでに首相を経験した安倍晋三氏が会長に就いて安倍派(94人)になり、会長が天下取りを目指す派閥は茂木敏充幹事長が就任した茂木派(53人)だけだ。昔のように領袖(りょうしゅう)を総理・総裁に担ぎ上げるため他派閥と競った派閥の役割は薄れ、勉強会・親睦会の性格が強まっている。

「一致団結してしっかりと岸田文雄政権を支えていく」。12月6日、東京都内のホテル。安倍派発足のお披露目となる同派パーティーで、安倍氏はこう強調した。派内には衆目一致する総裁候補がいない。安倍氏自身の再登板については、月刊誌「Hanada」で「全く考えていない」と語っている。

第6派閥の旧石原派(7人)も16日、パーティーを開いて森山裕前国対委員長が率いる森山派に移行した。森山氏は記者団に「政策集団だから別に総理・総裁を目指すということではない」と明言した。

かつての派閥は、会長が配下の議員に資金とポストを配分する代わりに、議員は会長に忠誠を誓い、宰相に押し上げようと政局を戦った。昭和47年まで長期政権を敷いた佐藤栄作元首相の後継をめぐっては、主要派閥の領袖である「三角大福」(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫)が激突した。だが、今の会長で総裁候補と目されるのは茂木氏一人である。

派閥の影響力低下は平成8年の選挙制度改革に始まる。中選挙区時代は同一選挙区に各派閥が候補者を擁立し、多額の資金を投入して競った。だが、当選者1人の小選挙区制に移り、候補者選定や資金は党執行部が握る。会長の役目は選挙の応援演説や、閣僚の一部と副大臣・政務官などの人事が主だ。各派の定例会合は、国会・選挙などの情報交換の場になった。

この結果、派閥の統制は弱まった。党内で無派閥議員は2割を占める。昨年には菅義偉前首相が事実上初めての無派閥の総理・総裁となった。菅氏の後継を決める今年9月の総裁選で一致結束して行動できたのは領袖を担いだ岸田派だけだった。(田中一世)

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