街じゅうで電動キックボードをシェア 「次世代」のLUUPが非常に「古典的」といえる理由

SankeiBiz

都内のみなさんは、電動キックボードなどのシェアリングサービス「LUUP(ループ)」をよく見かけるようになったのではないでしょうか。

LUUPの走行イメージ。写真は電動キックボードタイプ(Luup社提供)
LUUPの走行イメージ。写真は電動キックボードタイプ(Luup社提供)

緑をベースとしたロゴと黒のオシャレなボディで、路上に「どうぞ乗ってください」という雰囲気で並んでいますね。時々路上で走っている方もいらっしゃいます。周りの目としては、車からは「危ないな」とか、若者は「かっこいい」、多くの方は「なんだあれ?あんなのいいの?」といった具合でしょうか。

2021年4月から始まっていた都内各所での実証実験ですが、10月から千代田区、中央区で始まったこともあり、大手町や銀座という日本の中心地で見かけるようになったのです。

現在LUUPで採用しているのは、電動キックボードと電動アシスト自転車ですが、将来的には高齢者なども利用できる椅子付きの四輪の乗り物なども導入を検討しているようです。新しい乗り物を「公道」で走らせようというものですから、そのハードルは相当なものでしょう。法的にも、心理的にも、既存のシステムや人からは反発を受けていることと思います。

そのLUUPを展開するLuup社ですが、東京海上ホールディングスとの資本提携を10月に発表しました。わかりやすくいえば、東京海上はLUUPのような電動キックボードを対象とした保険商品の開発のためにいち早くデータが欲しいということです。保険の設計は非常に高度なデータサイエンスの分野に属しますので実証実験の時点から参加できるのは先行者利益として大きいのでしょう。

Luup社としても、いざ公道で走らせるといったときに「適した保険が大手から用意されている」という安心感を社会に対してアピールできるのは大きいはずです。いよいよ本格的に「社会全体に対して」出ていく手筈が整い始めたといえます。

「次世代」だけど「古典的」

このLUUPの登場は「次世代」で真新しいと思われがちですが、その役割や展開手法は実は古典的だと言えます。「鉄道」や「自動車」と同様だからです。

  • 既存の法律に居場所を作る
  • 社会的な安心を作る
  • 移動の効率化により新しい商圏を作る

という3点です。

鉄道会社は駅を作るだけでなく、その駅に街そのものを作ってきました。駅を作り、駅前にスーパーを作り、バスを走らせ、走った先に家を作るのです。自動車も同様に「遠くに行ける」だけでなく、「自動車なら行ける」場所に新しい商圏を作ることを実現しました。

実はLuup社は2020年の7月に、石油元売り大手のENEOS(エネオス)と大手ゼネコンである大林組からの資金調達をしています。

この2社の参画は非常に象徴的だと思います。車から新しい移動手段へとエネルギー供給先を模索するENEOSと、「LUUPを使えば大丈夫」という思想で新たに設計される街を作り上げたい大林組ということです。Luup社は「既存の街で便利に過ごせるように」というだけでなく、「LUUPありきの新しい街設計」を狙っているのでしょう。

渋谷マークシティの「ポート」と呼ばれる駐機スポットに並ぶLUUP(Luup社提供)

これは、今の日本に「車がないとやっていけない街」が存在するのと同じです。現在ガソリン車は少しネガティブな印象かもしれませんが、それでも車の登場によって実現した地方都市の利便性は相当なものです。

車より低価格なLUUPで現在の地方都市における公共交通や自家用車の置き換えが進むかもしれません。ちなみに筆者の育った家は、最寄りの駅から徒歩30分で、一番近いバス停までも徒歩15分近かったので、その当時に家からバス停までの移動にLUUPがあったらな…と思っているところです。

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