勇者の物語~「虎番疾風録」番外編~田所龍一(376)

第2の合併 不成立なら西武が責任?

産経ニュース
ロッテとの「合併」を否定するダイエーの中内正オーナー =2004年9月、東京・内幸町
ロッテとの「合併」を否定するダイエーの中内正オーナー =2004年9月、東京・内幸町

■勇者の物語(375)

「1リーグ制」への移行も巨人のパ・リーグ移籍構想も、すべて〝第2の合併〟成立―が大前提。だが、いっこうにその姿が見えてこない。

〝第2の合併〟が初めて取り沙汰されたのは7月7日のオーナー会議で西武・堤オーナーが「西武、ロッテ、ダイエー、日本ハムの4球団で合併を検討している」と発言したのがきっかけ。当時、噂に上ったのはダイエーとロッテとの合併だった。

ダイエーは親会社がバブルの崩壊や阪神・淡路大震災の影響で極度の経営難に陥り、有利子負債2兆円ともいわれた。平成13年には創業者の中内㓛会長が退任。不採算店の閉鎖、リクルートやローソンの売却など、子会社の整理が行われていた。ダイエーのメインバンクは再生機構入りと球団の売却を提案した。そんな状況下、7月下旬にロッテが合併を打診。だが、ダイエーは「球団は福岡でダイエー単体で保有していく」と拒絶した。

ダイエーとロッテの合併は暗礁に乗り上げた。合併を成立させるには9月8日に予定されている臨時オーナー会議までに2球団間で合意していなければならない。8月16日、ロッテの濱本球団社長は根来コミッショナーへ「オーナー会議の開催を9月下旬に遅らせてほしい」と申し入れたが、聞き入れられなかった。

8月23日の12球団代表者会議でも〝第2の合併〟について具体的な提示はなし。根来コミッショナーも「みんなも分からないし、オレだって分からない。きっと堤さんもそう思っているんじゃないか」と懐疑的に話した。

その西武が水面下で動いていることが8月31日、発覚した。ある球界関係者によれば8月上旬、西武の関係者がTBSを訪れ、横浜の砂原オーナーへもう一つの合併に関する窮状を訴えて、その話の中で西武自らの球団売却の可能性もある―と発言したという。堤オーナーが暴露した〝第2の合併〟だけに、ダイエーとロッテの合併が不成立の場合は〝言い出しっぺ〟の西武が責任をとる―というわけだ。

そしてこの日、ロッテの重光オーナーは「今週か来週には動きがあるだろう」と語った。

第2の合併は「西武とロッテ」に移行したのか―。タイムリミットは9月8日の臨時オーナー会議。そのときは刻々と迫っていた。(敬称略)

■勇者の物語(377)