広島県福山市の鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ秋田善祺元代表(88)=贈賄罪などで有罪確定=から計500万円の賄賂を受け取ったとして、収賄罪に問われた元農相吉川貴盛被告(71)の被告人質問が20日、東京地裁で始まった。大臣就任パーティーで200万円の現金授受があったとされる場面に関し「全くと言っていいほど覚えていない」と述べた。
秋田元代表はこれまでの公判で、平成30年11月に東京都内のホテルで開かれた元農相の大臣就任祝いパーティーの際、トイレに立った元農相を追いかけ、ポケットに現金200万円をねじ込んだと証言。元農相は「覚えていないが、相手が言っているならそうなのだと思う」と説明した。
起訴状によると、元農相は業界に便宜を図ってもらいたいとの趣旨を知りながら、平成30年11月~令和元年8月、東京都内のホテルや大臣室で秋田元代表から計500万円を受け取ったとしている。