「町にはラーメン屋が1軒もありません」と会員制交流サイト(SNS)で全国公募して話題になった栃木県茂木町に20日、茨城県土浦市にある人気店の系列店「特級鶏蕎麦 龍介もてぎ」がオープンした。午前11時半の開店前には、SNSで開店を知った栃木、茨城県のラーメン愛好家約50人が行列を作り、待望の味を堪能した。
人気サイトのラーメンランキングで鶏白湯部門の全国1位になった人気店「龍介」のフランチャイズ1号店。龍介の直営店運営や店舗プロデュースを手掛ける「龍介プロジェクト」の浅野明仁社長(48)と親交がある益子町の建設業「塚田産業」の塚田竜也社長(45)が異業種参入。新会社「竜の道プロジェクト」を立ち上げて運営する。
同町町民センター北の空き店舗を改装した店はカウンター8席、6人掛け4席の計32席を用意。店内に製麺機を備え、自家製麺にこだわった。メニューは当面、人気の「龍介つけ蕎麦(そば)」、濃厚なスープの「純鶏蕎麦」、あっさりスープの「地鶏そば」(しょうゆ、塩)にギョーザ、「味ねぎ丼」を提供。初日は浅野社長や本店スタッフも駆け付け、注文をこなした。
開店2時間前から行列の先頭に並び、「特級龍介つけ蕎麦」を注文した同町小幡の会社員、馬篭芳則さん(41)は「ユズの香りにご当地感があり、スープも濃厚だがさらっと飲み干せておいしかった。消防団の仲間に薦めたい」と満足そう。
開店前、浅野社長は「龍介の2号店。地元の食材をフルに活用し、安心して食べられる龍介スタイルを再現した。毎日でも食べに来てほしい」とあいさつ。来年からは本店同様のフルメニューを提供する。
誘致に奔走した同町商工観光課の滝田隆課長(54)も駆け付け、「夢にまで見た光景」と行列に感動。「今回をきっかけにさらにラーメン店を誘致し、町の商業活性化を図りたい」と話した。
営業時間は午前11時半~午後2時半、同5時半~9時。水曜定休。年末は31日~来年1月3日休み。電話0285・81・6316。(石川忠彦)