一人前の証しや! 阪神・佐藤輝明内野手(22)のモデルのバットとグラブがミズノ社から発売されることが18日、分かった。来年1月中旬にオーダーグラブ、2月にオーダーバットが発売される。佐藤輝は同社の岐阜・養老工場を訪れ、グリップエンドを大きくするなど自分に合うように注文した。新しいバットで今季以上の結果を目指す。
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感覚を研ぎ澄まして、バットを握り、振り、入念にその感覚を確かめた。来季をともに戦う新たな〝相棒〟。ミズノ社の養老工場(岐阜・養老町)を訪れた佐藤輝がバットに改良を加えた。
「グリップエンドを大きくしました。そっちの方が持ちやすいからです。(指の)ひっかかり具合がそっちの方がいいかな」
入団時にはヤクルト・村上と広島・堂林のバットをモデルにした2種類のバットを用意したが、早い段階で堂林モデルを自分に合うように改良して使用。そのバットで球団新人最多本塁打となる24本のアーチを架けた。1年目から結果を残し、来年からミズノブランドアンバサダー契約を締結。用具について細かい要望をお願いできるようになった。
工場で直接オーダーしたのは、バットのグリップエンドを大きくすること。長打力を発揮した一方で、打率は・238に終わり、59打席連続無安打を喫するなど、課題もあった。そこでより扱いやすくするように改良。「コンタクト率が上がるようにいろいろ試しながらやっていきたい」と確実性アップを目指す。
うれしい知らせもあった。佐藤輝モデルのオーダーバットが来年2月から、オーダーグラブが1月中旬から発売されることが決まった。自分のモデルのバットやグラブを子供たちが使う。来季2年目にして、早くも一流選手の仲間入りだ。「なんとかモデルとか、小さいときはこれ欲しいなとか言ってたので。自分のが出るのはうれしいですね」と笑顔をみせた。
〝テルモデル〟のバットはトップの方に重心を置いたもの。「僕はそれが振りやすいので。ひとことで言ったら自分に合っているバットかな」と納得の表情だ。
工場では職人がバットを削る様子も見学。「すごい職人技を感じました」と感銘を受け、その恩に報いることを誓った。
「さらに道具への愛着が湧き、大切にしたいと思いましたし、こうやって支えていただいている方々のためにも、結果で恩返しをしなくてはいけない」
リーグ制覇のため、自分に合った新しい〝武器〟を手に入れた。さらなる進化を目指していく。(菊地峻太朗)
★グラブも改良 佐藤輝は内野手用のグラブのサイズも大きいものに変更した。「普通の人が見たら外野用かなというくらい、けっこうデカい。サードなので(打球を)捕るのが一番。(西武の)山川さんとか(打球が)めちゃくちゃ速かった。(巨人の)岡本さんとか。そういう打球を捕れるように」と理由を明かした。今季は右翼がメインも、来季に向けて近大時代に本職だった三塁への意欲もみせており、守備でもアピールしていく。
★養老工場 ミズノ社の子会社であるミズノテクニクス株式会社の岐阜・養老町にある工場。1943年に設立。硬式野球用木製バットや硬式球、ヘルメットといった野球用品の他にも、ゴルフクラブなども製造している。
★YouTube生配信出演予定 佐藤輝は19日の「ミズノダイアモンドスポーツ感謝祭 2021」に、来年度から就任するミズノブランドアンバサダーとしてYouTubeライブ配信に生出演する予定。オリックスの杉本と宮城や西武の今井、中日の木下拓らも参加し、オフシーズンならではの掛け合いが見られるかも⁉ 詳細はミズノ社の公式サイトで。