【北京=三塚聖平】北京冬季五輪開幕まで50日。米国などが政府使節団などを派遣しない「外交的ボイコット」を表明したのに対し、中国は関係が良好な国との会談などを通じて支持を取り付けるなど孤立感の払拭へ躍起だ。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の世界的な広がりを前に、感染対策に関する緊張も高まっている。
ロシアのプーチン大統領は15日、中国の習近平国家主席とのオンライン会談で五輪開会式への出席を表明した。米欧で外交的ボイコットの動きが出る中、習政権のメンツを保つ助け舟になった形だ。
13日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が外交的ボイコットを「検討していない」と表明した際には、中国外務省報道官が「五輪精神に合致し、中韓友好も体現した」と評価。7日には中国外交担当トップの楊潔篪共産党政治局員が地中海の島国マルタを訪れて大統領、首相と会談し、マルタ側が「五輪開催を支持する」と表明したと中国側が発表した。
中国外務省の華春瑩報道官は15日、ツイッターに日本語で「日本との約束通り、中国は東京五輪の開催を全力で支援」したとし、「北京五輪では日本の皆さんからの全力のサポートを期待」すると訴えるなど、五輪の実現に並々ならぬ意欲を見せている。
一方、中国はコロナ感染への警戒は緩めておらず、韓正副首相は14日、五輪会場などを視察した際、「(コロナ問題は)重大な試練だ」と強調、対策徹底を指示した。中国本土ではオミクロン株への感染も複数、確認されている。