いま本当に眼帯が必要なのは、手術直後や眼球破裂などの重症患者くらいです。
そもそも眼帯はガーゼを当てているだけで、ガーゼに薬品が沁み込んでいるわけではありません。「アベノマスク」を考えても、ガーゼで感染予防ができるわけがないことは一目瞭然。本来「両目」で見ることで正しい視野が確保できる仕組みなのに、その片方を意図的に塞げば、視野が欠けて危険が増すだけです。
子どもに眼帯は不要、大人も眼科医の指示がない限り眼帯はしない―。そんな「いまの常識」をぜひ覚えておいてください。(構成・長田昭二) =あすにつづく
■平松類(ひらまつ・るい) 二本松眼科病院副院長。2005年、昭和大学医学部卒業後、同大医学部眼科入局。同大学病院や関連病院に勤務ののち、18年から現職。昭和大学兼任講師。医学博士。YouTube「眼科医平松類チャンネル」を毎日発信中。