認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人を支援する成年後見制度について、厚生労働省の専門家会議は15日、来年度から5年間の新たな利用促進計画に向けた報告書をまとめた。地域住民による「市民後見人」の育成を強化することや、当事者の権利擁護のため各自治体で関係機関のネットワークをつくることなどが柱。来年3月に閣議決定する予定。
国内には認知症の人だけでも約600万人いるとみられるが、成年後見の利用者は昨年末時点で約23万人にとどまる。後見人の8割が親族以外で、うち9割を弁護士や司法書士などの専門職が占める。家族や専門職でない市民後見人はわずか1%だ。
厚労省は養成研修を充実させ、市町村に周知や募集に力を入れるよう求める。