オーケー、関西スーパー争奪戦から撤退 関西進出には意欲

産経ニュース
関西スーパーの店舗=兵庫県伊丹市
関西スーパーの店舗=兵庫県伊丹市

関西スーパーマーケットの経営権をめぐるエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングとオーケー(横浜市)との争奪戦は、紆余(うよ)曲折を経てH2O側に軍配が上がった。関西スーパーの子会社化を目指したオーケーは買収からの撤退を発表したが、関西進出への意欲を改めて表明。H2Oは15日に統合を実施し、傘下に売上高4千億円規模の食品スーパー連合を収める。

「本当に関西スーパーとご一緒したいと思っていたので、率直に残念だ。経営統合はかなわなかったが、切磋琢磨(せっさたくま)してお互いに発展していければ」。最高裁が統合を認める判断をしたことについて、オーケーの二宮涼太郎社長はオンラインでの会見でさばさばとした表情で語った。

さらに、「最終的な司法の考えが示されたものと真摯(しんし)に受け止める」と述べ、関西スーパーへの株式公開買い付け(TOB)提案は行わず、争奪戦から完全撤退することを明言した。

ただ、関西市場への進出を引き続き目指す考えも表明。「今回の件を通じて、関西の多くのお客さんから『ぜひ出店してほしい』と応援メッセージをいただいた」と強調した。

オーケーは会社法に基づき、保有する関西スーパー株の買い取り請求権を行使する方針。帝国データバンク大阪支社の昌木裕司情報部長は「関西スーパーからオーケーの関西進出の軍資金を渡す格好だ。規模の小さなチェーンを買って橋頭堡(きょうとうほ)をつくり、店舗数拡大を仕掛けることも想定される」と分析する。

一方、H2Oの関係者は「長い戦いが終わり、ほっとしている。裁判でもゴタゴタが続いて想定外のことばかりだった」と安堵の声を漏らした。H2O傘下2スーパーとの統合は半月延期した15日に実施。関西スーパーは来年2月に発足する中間持ち株会社「関西フードマーケット」として上場を維持することになる。

ただ、関西スーパーの株価は統合案が前進するたびに急落しており、株主や投資家が統合を歓迎しているとは言い難い。H2Oの関係者は「株主から新会社の業績が注視される。期待に応えるため重い十字架を背負うことになる」と覚悟をにじませた。(井上浩平)