ヤクルト支えた名スカウト・片岡宏雄さん死去 89年ドラフト、ノムさんの反対を押し切って「メガネの」古田敦也を2位で獲得

サンスポ
片岡さん(右)は、ドラフト会議で2位指名した古田敦也捕手と仮契約し、固い握手を交わした =1989年12月6日撮影
片岡さん(右)は、ドラフト会議で2位指名した古田敦也捕手と仮契約し、固い握手を交わした =1989年12月6日撮影

ヤクルトのスカウトとして、のちの名選手を数多くプロ入りさせた片岡宏雄(かたおか・ひろお)さんが6日に千葉・船橋市内で老衰のため死去したことが12日、分かった。85歳。葬儀・告別式は11日に近親者で営まれた。立大から1959年に中日に入団し、61年に国鉄(現ヤクルト)へ移籍。引退後は産経新聞、夕刊フジで記者を務めた後、ヤクルトのスカウトに就き、若松勉や古田敦也、高津臣吾らを担当するなど1990年代の黄金時代の礎を築いた。

名スカウトとして数々の選手を発掘し、ヤクルトの黄金時代の土台を築いた片岡さんが、6日に息を引き取った。葬儀・告別式は11日に近親者のみで営まれ、参列した元ヤクルト投手、同スカウトで茨城・東洋大牛久高の矢野和哉監督(59)は「片岡さんに一から教えてもらった」と故人をしのんだ。

片岡さんは、大阪・浪華商高(現大体大浪商高)の捕手として1953年の選抜大会で準優勝。立大では「立教三羽ガラス」と呼ばれた1年先輩の杉浦忠(元南海監督)、長嶋茂雄(巨人終身名誉監督)、本屋敷錦吾(元阪神など)らと、3年次の57年春から東京六大学野球リーグの4季連続優勝。大学選手権で2度頂点に立ち、黄金期をつくった。

後年、長嶋氏について「1学年上にすごい人がいると聞いていたけれど、オーラがあるし、何をしても躍動感があった」と振り返ったが、自身も六大学の大スターだった。入学当時から、杉浦の快速球と鋭い変化球を確実に捕球できた捕手は、片岡さんの他にいなかったという。杉浦、長嶋らが卒業直後、自身が4年となった58年春に、28年秋の慶大以来となる、リーグ史上2度目の10戦全勝優勝に導いた。

59年に中日入団。61年に国鉄(現ヤクルト)へ移籍し、63年に現役を退いた。産経新聞や夕刊フジで野球記者を務めた後、71年にバッテリーコーチとしてヤクルトに復帰。72年にスカウトへ転じ、スカウト部長、編成部調査役などを歴任した。

若松勉(電電北海道)、尾花高夫(新日鉄堺)、伊東昭光(本田技研)、池山隆寛(市尼崎高)、広沢克己(明大)、古田敦也(トヨタ自動車)、高津臣吾(亜大)らを担当スカウトとして発掘。78年の球団初の日本一、90年代の黄金時代へと、ヤクルトの基盤づくりに力を注いだ。

89年のドラフト会議。野村克也監督(故人)が「大学出の捕手、メガネをかけている捕手は大成しない」と古田の獲得に難色を示したが、片岡さんは同じ理由で大学時代に指名されなかった古田の能力を信じ、反対を押し切って2位で獲得した逸話もある。

同じく獲得に尽力した高津監督は11月26日に日本シリーズを制し、ヤクルトでは2001年の若松監督以来20年ぶりとなる日本一監督になった。その10日後、歓喜の瞬間を見届けたかのように、天国へ旅立った。

片岡スカウトに見いだされ、野村監督に育てられた選手たちは現在、プロ、アマを問わず、指導者として球界にしっかりと根を張り続けている。

★1位で小池のくじを外した後、3位で同じ亜大の高津を指名 片岡さんは浪華商高(現大体大浪商高)の伝説的な捕手で、母校に帰れば、4歳下で当時投手だった張本勲(元巨人など)らを指導した。高校時代の投げ込みで左肩を痛め、打者に転向した張本氏に、片岡さんは「プロで3000安打ができたのは俺のおかげ」と冗談を飛ばしていた。

スカウトとなった片岡さんが、高津臣吾を指名したのは1990年のドラフト会議。同年は、高津と同じ亜大の小池秀郎をヤクルトを含む8球団が指名したが、片岡さんらは小池の視察を重ねつつ、サイド右腕の高津にも注目していた。

小池を外した後、3位で高津を指名(1位は岡林洋一=専大)。片岡さんは後に「小池のくじが当たっていたら、同じ大学の高津の指名はなかった」と語っていた。

■片岡宏雄(かたおか・ひろお) 1936(昭和11)年6月15日生まれ。大阪府出身。浪華商高(現大体大浪商高)から立大に進み、1年時から1学年上の杉浦忠(元南海)の女房役を務めた。59年に中日入団。61年に国鉄(現ヤクルト)へ移籍し、63年に現役を引退。通算成績は29試合に出場し、打率.167、0本塁打、0打点。引退後は産経新聞、夕刊フジの記者を経て、ヤクルトのスカウト、スカウト部長などを歴任。71、74、75年にはコーチも務めた。右投げ右打ち。

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