イチローコーチ、高松商で約4時間の臨時指導!監督の公開ラブコール「うちにも来て」叶う

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五色台丘陵に囲まれたレクザムスタジアム。気温が下がってきた夕方、イチロー氏は暖を取りながら選手の質問に答えた(代表撮影)
五色台丘陵に囲まれたレクザムスタジアム。気温が下がってきた夕方、イチロー氏は暖を取りながら選手の質問に答えた(代表撮影)
今夏の甲子園大会。高松商高ナインは智弁和歌山高に敗れ、涙を拭った
今夏の甲子園大会。高松商高ナインは智弁和歌山高に敗れ、涙を拭った

プロ野球・オリックス、米大リーグのマリナーズなどで日米通算4367安打を放ち、2019年3月に現役を引退したイチロー氏(48)=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が12日、香川・高松市のレクザムスタジアムを訪れ、春夏合わせて48度の甲子園出場を誇る古豪・高松商高の部員に約4時間の臨時指導を行った。智弁和歌山高、国学院久我山高(東京)、千葉明徳高に続く4校目。今回で年内最後となるが、来年以降も高校球児と向き合っていく。

正午過ぎに、グラウンドを訪れたイチロー氏。第一声で〝つかみ〟はOKだった。

「今回、伺ったのはもう、夏の大会での監督の〝爆弾発言〟からです」

高松商は今夏の甲子園で大正、昭和、平成、令和での4元号勝利を達成したが、3回戦で昨年12月にイチロー氏が指導した智弁和歌山に3-5で惜敗。試合後、長尾健司監督(51)が「イチローさんに教えていただいて、強くなったんだろうな、やる気が出たんだろうなと思うと、うちにもイチローさんに来てほしい」と仰天の〝公開オファー〟を出した。

これがきっかけとなって、その後に同監督がイチロー氏に再度真意を伝え、今回の指導が実現した。選抜大会の前身として1924年に始まった第1回選抜中等学校野球大会を制した同校。一時の〝低迷期〟もあった中、古豪復活への貴重な時間になった。

くしくもイチロー氏にとってレクザムスタジアム(香川県営野球場)は、94年8月10日の日本ハム戦でプロ野球新記録(当時)となる57試合連続出塁を決めた思い出の場所。フリー打撃の実演が始まる午後1時前には「ライトスタンドに1本も入らなかったら、夕方まで打っています。僕のルールで1本も入らずに練習を終えたことはないので。入らなかったら、明日もです」と宣言。わずか8スイング目に右翼スタンドに運ぶと「これで帰れるね」と部員たちに笑い掛けた。

また、部員の一人から打席で狙い球について質問されると「どっちかといえば、僕は球種だった。プロに入ってからはね。高校時代はコース」と述懐。「当時は今みたいに変化球を投げなかった。今の高校野球(の投手)はプロに近い。だから、絞るとすれば球種なんじゃない?」と回答する場面もあった。

長尾監督は「多分、イチローさんの一言一言が(智弁和歌山ナインを)強くした。だから、(あの発言は)イチローさんが〝来たかどうかの差〟があったと思ったので」と照れ笑い。11日から続いた2日間について「1カ月分の練習をした感じです」と最敬礼した。

最後に、智弁和歌山戦で本塁打を放ち、この日はイチロー氏のキャッチボール相手を務めた浅野翔吾主将(2年)が挨拶。「智弁和歌山さんがイチローさんに指導を受けて、すぐに優勝したので、自分たちも来年の夏に良い報告ができたらなと思います」と誓った。

球児はもちろん、イチロー氏にとっても球児の野球への真摯な姿勢や情熱に触れるのは夢の時間だ。「すごく良い雰囲気で、応援したくなっちゃいました。また来るかもしれません。みんなのこと、ずっと見ていますから」。再訪の可能性と魔法の言葉を口にして、球場をあとにした。

★バットをプレゼント イチロー氏は、キャッチボールでは遠投で一直線の球を投げ、フリー打撃では逆風の中で11本の柵越えを披露。選手からは「(弾道が)きれい」と驚きの声が上がった。スイングを指導した際には「練習でも全力で振って、いい形を目指してください。疲れたからといって、楽な形にならないように。バテてからが大事」と助言。前回指導した千葉明徳と同様に、最後には「気合を入れたい時は、これを握って。今日の日を思い出すでしょうし、僕に見られている感じがするでしょ」と、自身のバットを寄贈した。