虎のソナタ

一流で二流で三流のレジェンド ノムさんが残した「財」「名」「人」

サンスポ
報道陣の受付で配られたどら焼き。野村さんのメッセージとサインが記されていた
報道陣の受付で配られたどら焼き。野村さんのメッセージとサインが記されていた

天国のノムさんの大サービスだったのか。とびっきりの快晴。上着のいらない陽気。日本中から神宮球場に集まった野村ファンは寒さに震えることなく、笑顔で名将を〝しのぶ〟ことができた。

本紙専属評論家・黒田正宏氏の顔も。

「顔を合わせると必ず『何しに来たんや』とぶっきら棒に言う。でも、その後に優しい言葉を掛けてくれる。元気なころの写真を見ながら、いろんなことを思い出した」

南海時代は選手として、阪神時代はコーチとして接した、野村野球を知り尽くした参謀も、最後の別れにシンミリだ。

虎の指揮官・矢野監督密着のため現地にやってきたサブキャップ・新里公章は「正直に言います。子供の頃に『ID野球』という言葉を耳にした程度で、その業績をあまり知りませんでした」と申し訳なさそうに言う。まあ、仕方がない。では、今から業績がビジョンに流れる。説明してあげようではないか。

と、意気込んで、野村克也の偉大なる足跡を編集した映像がオンエアされたのだが、予想外、いや、ある意味予想通りの中身に、ついついボヤいてしまった。

短い。短すぎるぞ。タイガース時代の〝尺〟が一瞬ではないか。しかも、試合ではなく、春のキャンプで、二刀流挑戦の新庄剛志にアドバイスを送る光景が。他にもポツポツ写真が紹介されてはいた。矢野監督と野村さんの甲子園のベンチでの再会シーンもあった。でも、他球団に比べると…。

ヤクルト監督時代はすごかった。日本一3度、リーグ優勝4度。栄光はまばゆいばかり。楽天時代も、マー君との楽しそうなシーンが。そして、自らが土台を築いたヤクルトがことし日本一。この会の直前の栄冠。何ともできすぎた物語だ。生前、高津監督と触れあうシーンも感動的だった。

わがサンケイスポーツの評論家時代、顔を合わせるたびに言われたもんだ。

「俺の歴史からタイガースの部分だけを消してくれ。どうしたら消せるんや。お前さんの顔を見ると、そのことばかりが思う浮かぶ」

もちろん、ジョーク。強烈に毒の混じったジョーク。トラ番として張り付いたことをずっと覚えてくださっているのは感謝だが、「消せるわけないでしょう」と気の利かない返答しかできなかった。阪神で3年指揮を執って3年とも最下位。消したくなるのも…な~んて思ったりもした。

そして、この「栄光の映像」だ。監督の歴史からタイガースの部分がホントに消えかかっているような気がしたのは私だけ⁈

でも、古田敦也氏が弔辞で「高津監督率いるヤクルトと、矢野監督率いるタイガースが最後まで優勝を争い…」としっかり言ってくれていた。

出席者を見渡すと、矢野監督はもちろん、平田2軍監督、桧山、赤星…。アナタの教え子は大挙、参集していた。野村遺産は、今もタイガースに息づいている。

映像では「財を残すのは三流、名を残すのは二流、人を残すのが一流」という大好きな言葉を流していた。そして、見事に人を残しました-。そう締めくくっていた。

いい言葉だ。ただ、思うのです。あなたはすべて、残していませんか?

一流であり、二流であり、三流でもある。何でも分かる、そんな監督だった。「虎のソナタ」からも感謝!感謝!感謝!です。

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