そしてニッポン放送では多くの場合、その伝令=使者の役割を現場のアナウンサーが務めていました。私も何度か、その役を仰せつかったのですが、タイミングを間違えて大失敗したことがあります。シーズン終盤ではありましたが、まだその選手が引退の発表前。試合前のティーを終えて、ケージ後ろでフリー打撃を待っているスキをとらえ、近づいた私は「引退したら、ニッポン放送の解説をやってもらえませんか?」と胸元にビーンボールを投げてしまったのです。
「ちょっと、俺まだ辞めるって決めてないし、そういう死神みたいなのやめてくれる⁉」
そりゃ、怒りますよね(汗)。結局その年限りで引退されて、その方には来ていただけたのですが数年間、嫌味を言われ続けました。いま思い出しても、顔から火が出る若気の至りです。 (フリーアナウンサー・松本秀夫)