試験を受けたが、一度目は不採用。あきらめきれず、ハワイアンズの運営会社に入り、施設内のレストランで勤務しながら、翌年再挑戦、デビューを果たした。「故郷のために頑張りたい」。フレッシュな笑顔が輝く。
「10年はあっという間」
宮城県富谷市出身の加藤華南(はな)さんは新型コロナウイルス禍で休止中のキャラバンを復活させたい。「震災、コロナ…。大変な状況でもフラダンスで心を安らかにしてほしい」と願う。
今年、ソロダンサーとなって、ハワイアンネームをもらったイオラナ怜奈さん。震災では、いわき市の自宅が半壊した。
「10年はあっという間だった。福島にはまだ思うように復興が進んでいないところもある。そういった方々にも元気を届けたい」
フラガールが被災地から届ける笑顔と絆は途切れることはない。これからの10年も、そして、その先も。
アニメ映画化も
フジテレビによる東日本大震災の被災地支援プロジェクトから生まれたアニメーション映画「フラ・フラダンス」(水島精二総監督)も現在、公開中となっている。
スパリゾートハワイアンズを舞台に、5人の新人フラガールたちが、失敗を重ねながらも少しずつ成長していくさまと、その絆を描いた物語だ。
新人フラガールの声を演じた、いわき市出身の俳優、富田望生(みう)さんは「フラガールは小さいころからの憧れ。震災から10年たった故郷で、こんなにも輝いている場所があることをぜひ見てほしい」と語った。(浅上あゆみ)