「軽音」の甲子園「スニーカーエイジ」初の全国大会 12月26日に開催

産経ニュース
全国大会に出場する関西地区の3校がプロから指導を受けたサウンドクリニック。レッスン中の近大付=11月21日、大阪府河南町の大阪芸術大(竹川禎一郎撮影)
全国大会に出場する関西地区の3校がプロから指導を受けたサウンドクリニック。レッスン中の近大付=11月21日、大阪府河南町の大阪芸術大(竹川禎一郎撮影)

軽音楽部の「甲子園」と称される「第1回全国高校軽音楽部大会 we are SNEAKER AGES(スニーカーエイジ)」(産経新聞社ほか主催、大阪芸術大学など協賛)が26日、大阪市内で開かれる。42年前に大阪で始まったコンテストをルーツとし、年々規模を拡大してきたこのイベントは、今回初の全国大会を迎える。発祥の地、関西代表の奈良育英(奈良)、大谷(京都)、近大付(大阪)の3校は、初代王者を目指しステージに磨きをかける。

プロがクリニック

「出だしはもっとテンポよく! 音の強弱にメリハリをつけて」

演奏を終えた生徒たちにアドバイスが飛ぶ。11月21日、大阪芸大(大阪府河南町)で行われた「サウンドクリニック」の一コマだ。

関西代表3校がステージを披露。同大演奏学科などの講師陣がリズムやアンサンブル、歌唱力などを指導するレッスンだ。

各校のリーダーたちはそれぞれに改善点を確認した。音のバランスを指摘された奈良育英のギター、斉木羽七(はな)さん(18)は「フレーズごとの音質や音量の流れ、他の楽器との兼ね合いを見直したい」。アクセントのつけ方などでアドバイスを受けた近大付のドラム、高木麻衣(まい)さん(16)は「一つ一つの助言が刺激的。もっとテクニックを磨かなければ」と意欲を燃やす。

バンドを引っ張るボーカルには、講師陣もひときわ熱心に指導した。大谷でコーラスを担当する山村萌愛(めいと)さん(16)は「ボーカルの存在感を際立たせるためのアレンジや、コーラスにもまろやかさが必要とのアドバイスが勉強になった」と話した。

練習密度濃く

「どれだけ密度の濃い練習ができるかに腐心してきた」。関西地区のグランプリ校賞に輝いた奈良育英のメンバーは口をそろえる。

昨年に続き、今年の大会もコロナ禍が影を落とす。クラブ活動の自粛などで、メンバーが集まっての演奏が思うようにできない状況が続いた。奈良育英は例年の3分の1程度しか練習できていないといい、全国大会の日程まで逆算して、中身の濃い練習となるよう取り組んできたという。

他にもさまざまな工夫がみられた。9月に部活動を完全に休止した大谷は、自宅での個人練習のほか、会議アプリ「ズーム」でメンバー同士連絡を取り合いながら、モチベーションを高め合ったという。

感染対策万全

サウンドクリニックでは演奏中のボーカル以外は全員マスクを着用し、メンバーそれぞれの立ち位置にはパーティションを置いて仕切るなど感染防止対策が取られた。

大会も感染防止を最優先に運営される。夏の予選会は動画選考で実施。11月の関西地区グランプリ大会も、昨年に続き無観客での開催となった。全国大会もマイクは演奏が終了するたびに消毒し、控室も出場校が入れ替わるたびに消毒するなど対策を徹底する。

全国大会は全席指定で有観客により開催する方向だ。近大付の高木さんは「観客を間近に感じられる初めての演奏体験。『ガンバレ』という会場の熱気を味わいたい」と意気込む。

サウンドクリニックで講師を務めたプロギタリストの道祖(どうそ)淳平さん(64)とベーシストの本澤恵子さん(31)は総評で、関西の3校に「ノリや互いの空気感を大切にまとまれば申し分ない。ちょっとしたコツを伝授するだけでマスターできる才能があり、短期間でも伸びしろは十分にある」とエールを送った。

初の全国大会の見どころはどうか。

スニーカーエイジ実行委員会委員長でmiki music mirai(大阪市中央区)社長の戸田雄己(かつみ)さんは過去の各地区大会を振り返り「大人数で演奏の関西、4~5人のバンドスタイルでオリジナル曲の多い関東、民謡をロック調にアレンジした演奏もあった沖縄などさまざまなスタイルがある」と指摘。全国大会ならではのバラエティーに富んだステージに期待する。「コロナ禍の今、各地の高校軽音楽部の等身大の演奏や歌声が勇気と元気を与えてくれると思う」

栄冠はどの出場校に輝くか。注目の大会が迫る。(高橋義春)

関西から出場する3校のプロフィルは次の通り。

奈良育英】(関西地区グランプリ校賞)

14年前には廃部の危機に直面したこともあったが、態勢を立て直し復活。部員53人。全国大会に臨む12人は、課題曲のオーディションで選出した。「ハイレベルの演奏で最高の時間をつくる」と意気込む。

大谷】(同準グランプリ校賞)

平成17年にフォークソングを中心にした「アメリカ民謡部」としてスタート。現在の部員は89人、バンド数も20と大所帯だ。メンバーは「私たちのパフォーマンスから目を離さないで」と気合十分。

近大付】(同準グランプリ校賞)

昭和38年に英語同好会として発足。平成13年の文化祭を機に「E.S.S.S.」とのクラブ名で軽音楽活動に衣替え。過去7回関西地区グランプリ校賞を受賞。「最高のコンディションで臨む」と力を込める。


スニーカーエイジ 高校・中学校の軽音楽系クラブコンテストとして昭和54年に大阪で始まった。現在は全国8地区に広がっている。昨年まで各地区ごとの優勝校などを決めるグランプリ大会を実施してきたが、今年は大阪で全国大会が開かれることになった。

各校3~12人編成、演奏時間3分半~5分以内で、リズム、歌唱力などのテクニックや、演奏、表現力の完成度などで評価する。

会場はグランキューブ大阪(大阪市北区)で午後1時45分開演。一般指定席は1100円。販売は「イープラス」(https://eplus.jp/sneakerages/)のサイトで実施。新型コロナウイルスの感染状況によっては変更もある。大会は、インターネットの動画配信サービス「LIVE DREAMER」でライブ配信もされる。

写真販売サイト「産経Pic」(https://pic.sankei.jp/)で写真を販売します。関西地区グランプリ大会の写真を、出場者ご本人やご家族、ご親族、学校関係者の方のみが購入できます。