中国事情に詳しい評論家の石平氏は「民主主義サミットは、参加国に台湾を受け入れ、自由主義国家が結集して中国など権威主義的な国家と対峙する意思を共有する場になる。岸田首相は、安倍晋三元首相のように『台湾有事は日米同盟にとっての有事』という強い表現を使える立場ではないかもしれない。だが、中国の人権弾圧に毅然(きぜん)とした態度で向き合い、『台湾への挑発行為を許さない』と意思表明することで、今までの態度を払拭するチャンスになる」と語った。
ただ、岸田政権のスポークスマンである松野博一官房長官は2日の記者会見で、「(ウイグルで)重大な人権侵害が行われているとの報告が数多く出されており、人権状況を深刻に懸念している」と語ったものの、「外交的ボイコット」は8日、「適切な時期に諸般の事情を総合的に勘案して自ら判断する。現時点で何ら決まっていない」と語るだけだ。
前出の島田氏は「中国に対する姿勢は、日本や米国を含めたG7(先進7カ国)で意思決定すべきだろう。G7では唯一アジアの国で、中国に領土を脅かされる可能性があるのが日本だ。本来、中国に向き合ううえで一番の当事者となるのだから、北京五輪の外交的ボイコットも含め、対中では先頭に立つリーダーシップが求められている」と語っている。