日本ハム・新庄剛志新監督(49)の知られざる一面を、阪神の若手時代に過ごした選手寮「虎風荘」元寮長の梅本正之氏(85)が明かすシリーズの最終回。BIGBOSSの優しい心根が伝わる感動のエピソードを披露します。 (岩崎正範)
私、「鬼寮長」と言われてました。いろんな子が入ってくるから、確かに昔は鉄拳もやりましたよ。なめられたらアカンし、社会人として逸脱してたら怒らなアカン。でも、新庄は練習で手を抜くことはあっても、寮では本当に行儀が良くて門限を破ったこともない。女性ともいろいろ付き合っていたとは思うけど、過ちに発展することがない。すぐ飽きてしまうんかな(笑)。当然、殴ったこともありません。
お調子者とか宇宙人とかいろいろ言われる新庄ですが、純粋で気配りができるいい男でした。私が甲子園警察署の「1日署長」に任命されたイベントで、甲子園球場の付近を制服姿でパトロールしてると突然、当時メジャーリーガーだった新庄が大きな花束を持って、「寮長、ご苦労様でした」とあいさつに来てくれた。その年いっぱいで私が退任することを知って、駆けつけてくれたんです。そんな選手、他にはいませんよ。