彩時記

大掃除 払い清め福を呼ぶ ~師走 12月~

産経ニュース
昔ながらの道具で掃除をする松野きぬ子さん。時代が変わっても、「まずは高い所のほこりを落とす」という基本は変わらない(酒巻俊介撮影)
昔ながらの道具で掃除をする松野きぬ子さん。時代が変わっても、「まずは高い所のほこりを落とす」という基本は変わらない(酒巻俊介撮影)

街にクリスマスのイルミネーションが輝き、カレンダーもあと1枚を残すのみとなった。あわただしさが加速するなか、13日は正月を迎える準備を始める「正月事始め」。まずは大掃除をするのが習わしだ。

昨年はコロナ禍で、年末年始の来客がなく、やる気がうせた人は少なくない。大掃除は「すす払い」の歴史をひもとくと、単なる面倒な家事ではないことがわかる。

「年神様を迎えるのにふさわしい場になるように清める行事で、平安時代に始まったとされています。幸多き新年を迎えるために、旧年の厄(やく)を払(はら)い清める意味があります」

和文化研究家で、総合情報サイト「オールアバウト」の「暮らしの歳時記」ガイドも務める三浦康子さんはこう説明する。

13日に行われるようになったのは江戸時代から。旧暦では最吉日の鬼宿日(きしゅくにち)に当たり、正月の準備も縁起の良いこの日を選んで始めた。三浦さんが、祭りのようににぎやかだった、すす払いの様子を再現する。

大店(おおだな)では早朝から出入りのとび職人、店員総出で取り掛かり、終わった後は店主から店員まで胴上げをし、飲めや歌えやの宴会に。「奉公人もこの日は羽目を外し、無礼講の忘年会さながら。長屋なども同様で日暮れ前には終わらせ、家族で飲み食いをして楽しんだようです」

すす払いでも欠かせなかった道具がほうきだ。荒物雑貨問屋「松野屋」の店主、松野弘さん(68)は、「今は、便利は不便、不便は便利という時代。掃除機を出してコンセントをつないで…とやるより、ほうきでさっと掃くほうが時短で電気いらず。夜でも音を気にせず掃除できる」と、その良さを説く。

東京の下町にある自宅を訪ねると、台所や廊下などに大小の和ぼうきがつるされていた。妻のきぬ子さん(65)は、柄の長いシュロのほうきを動かし、2階から掃き下ろしながら「階段はほうきが断然便利ですよ」。

天然素材を使って職人が手掛けたシンプルな道具は、使い込むうちに愛着がわく。使い古しのタオルなどに針を刺してひと手間かけると、雑巾も愛着のある道具になる。「縫い目はむしろ粗いほうが、絞ったときに布がつれなくて具合がいい」

掃除をしてさっぱりすれば、花のひとつも飾りたくなる。わが家が癒やしの場になり、気持ちも前向きになる。三浦さんいわく「隅々まできれいにすると、年神様がたくさんの福徳を授けてくださるといわれています」。掃除は〝目に見えない効果〟も大きい。(榊聡美)

【旬の和菓子】

1年で最も夜が長くなる冬至(22日)は昔から、柚子(ゆず)湯に入って無病息災を祈る習慣がある。寒い時季に旬を迎える柚子は多種の和菓子にも用いられ、香りや彩りに花を添えている。

京都・西陣に本店を置く京菓子の老舗「鶴屋吉信」の「柚餅(ゆうもち)」は、包みを開けた瞬間にほんのりと甘く爽やかな香りを放つ。小ぶりの餅を口に運ぶと、さっくりとした歯触りがもちもちの食感へと変わり、柚子の風味が広がっていく。

150年余り、時代を超えて親しまれている銘菓の誕生には、こんな逸話がある。同社広報担当によると、3代目鶴屋伊兵衛が、御所へ献上するみぞれ羹(かん)の寒天の配合を間違えてしまい、思案のあげく、もち米を加え、青柚子の芳香を添えて進上したところ、ことのほか喜ばれたのが原点だとか。

もち米の名産地、滋賀県産「滋賀羽二重糯(はぶたえもち)」を使用したやわらかな求肥(ぎゅうひ)に、四国産の青柚子と黄柚子をそれぞれジャムにして練り合わせる。仕上げにまぶした、きめ細かな和三盆糖は繊細な舌触りを生む。

豊かな柚子の香りに冬の訪れをかみしめながら、優しい甘みに癒やされる。個包装(100グラム)2個入り1188円。

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