話の肖像画

元プロボクシング世界王者 輪島功一(1)節目の年、孫が鮮烈デビュー

産経ニュース
デビュー戦を1回TKO勝ちで飾った孫の磯谷大心選手(右)とグータッチを交わす=10月14日、東京・後楽園ホール(土谷創造撮影)
デビュー戦を1回TKO勝ちで飾った孫の磯谷大心選手(右)とグータッチを交わす=10月14日、東京・後楽園ホール(土谷創造撮影)

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《世界ジュニアミドル(現スーパーウエルター)級タイトルを獲得し、日本人初の重量級世界王者になってから50年となる今年、34年間務めたジムの会長職を次男の大千(ひろかず)さん(44)に譲り、10月には孫の磯谷大心(たいしん)選手(20)がデビューした》


大心のデビュー戦は私もリングサイドで見守りました。攻めるところは攻め、相手のパンチはうまくかわし、1回1分23秒でのTKO勝ち。完璧すぎる勝ち方でした。

大心は長女、大子(ひろこ)の長男で、父は輪島功一スポーツジム所属の元ウエルター級日本ランカーで現在はジムのトレーナーを務める磯谷和広です。ジムでは祖父、父、叔父から指導を受けているわけです。

父親や私と同じく、大心はリミット約66・68キロのウエルター級でデビューしましたが、タイプは私とは全く異なる。身長171センチの私は接近戦での打ち合いが身上でしたが、身長182センチでリーチもある大心は相手を寄せ付けないアウトボクシングが持ち味。幼稚園から高校までサッカー一筋に打ち込み、ボクシングを本格的に始めてまだ2年足らずですが、勇気があり、何よりボクシングが大好きなのでどんな成長をみせてくれるか楽しみです。


《輪島家は3世代続けて1回KO勝利でデビューを飾ったことになる》


私、大千、大心と、たまたまそうなりましたね。全員、ウエルター級で場所も後楽園ホール。でも年齢はばらばらで、大心が20歳、私は25歳、大千は31歳のときでした。

大千は29歳ぐらいになって「将来、親父のジムを継いでもいい」と言い出したので、私が「よし、だったらリングに上がって試合をしてみろ」と言い聞かせ、30歳を過ぎてからプロボクサーのライセンスを取らせたのです。ボクシングは殴り合いっこをするわけですから、殴られる痛みを知らなくてはジム会長は務まらないというのが、何事も経験を重視する私の持論です。

大千は東日本新人王戦の決勝まで進出しましたが、さすがに王座を狙えるような位置までは行かなかった。しかし、35歳まで頑張り、4年間、選手生活を続けたことは、何事にも替えがたい貴重な経験だったに違いない。それから9年がたち、責任を持たせようと、トレーナーだった大千に今年4月、会長職を譲りました。私自身はまだ体もそこそこは動きますが、「名誉会長」という立場でアドバイザーに徹しています。


《大心選手はデビュー戦での見事な勝利後、「世界王者になりたい」と言い切った》


目標が大きいのはいいこと。でも世界となると、軽々に「取る」とか「取れ」とかは言えない。運も味方しないと、実力だけでは取れないのが世界。力はありながら世界タイトルには届かなかった何人もの選手を、私はこれまで周囲で見てきました。ただ、大心の資質なら、日本王者までは本人の努力次第でなれると思う。まずは、新人王、次は日本王者を目指して頑張ってほしい。

孫がチャンピオンベルトを巻く姿を見たい。この思いがある限り、まだまだ老け込んではいられません。(聞き手 佐渡勝美)

【プロフィル】輪島功一(わじま・こういち)

昭和18年、樺太で生まれ、北海道士別市で育つ。17歳で上京、24歳で三迫ジムに入門しプロデビュー。46年、WBA・WBC世界J・ミドル級王座を奪取。連続6度の防衛を含め世界戦のリングに計13回上がり、同級王座に2度返り咲いた。勇気を信条とした激しいファイトで「炎の男」と称され、戦績は31勝(25KO)6敗1分。52年の引退後は団子店経営、ジム会長の一方でタレントとしても活躍した。

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