男子ゴルフで日本ツアー通算16勝の石川遼(30)=CASIO=が24日、「カシオワールドオープン」(25日開幕)会場の高知・Kochi黒潮CCで記者会見し、米国から帰国後の新型コロナウイルス対策の自主隔離中に不適切な行動があったことについて謝罪した。涙を見せて言葉を詰まらせる場面もあった。
長い髪を後ろで束ね、黒のスーツに紺のネクタイ姿で会見した石川は冒頭、「自分の行動は間違いであり、ミスを大変重く受け止めております。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と述べ、深々と頭を下げた。
11月8日に行動が週刊誌に報じられてから、2週間が経過しての会見。「時間がたつにつれ、自分の口から直接お伝えすることが必要なのではという思いが強くなった」と経緯を明かした。
石川は10月24日朝に米国から帰国。14日間の自主隔離期間内に、コーチやゴルフ場関係者と2人以上でラウンドや食事をしたことについて「コーチと2人でアメリカに行き、ずっと行動をともにしていたので、その2人であれば帰国後も一緒に行動をするのも、食事をするのもいいと思い込んでいた」と説明した。1月に、東京五輪の強化選手に適応される特別措置を受けたこともあり「そのときと混同して、自分の中でこのような形であればルールは守れているという思い込みがあり、細かいルールを確認せず、自分のいいように思い込んでいた」という。
他の選手に直接報告はしていないといい「男子ゴルフ界のイメージにつなげて考えられたり、語られたりするのであれば責任は大きい。このタイミングまでたくさんの方に迷惑をかけている。本当に自分はバカだなと思う」と涙を流し、言葉を詰まらせた。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)から1カ月の出場停止処分を受け、今季はもう出場がない。今後の予定は未定とし「この期間でしっかり反省して、自分を見つめ直して、これからも努力をしていきたい」と誓った。(高橋朝香)
★所属のカシオ計算機は支援継続
石川が所属契約を結ぶカシオ計算機は24日、公式HPに「JGTOの処分が相応であること、また、石川遼選手が深く反省していることを受けて、今後、本人が信頼回復に努め、ゴルフ界のさらなる発展に貢献することを期待し、将来ある選手を支えることも所属企業としての責任と考えました」と記し、引き続き支援する姿勢を示した。また同社では今回の件を踏まえ、コロナ対策に取り組む人々へ支援金を寄付する計画を発表した。