小学生の兄弟が死亡した兵庫県稲美町の放火事件は、発生から5日が経過した24日、50代の伯父の身柄が確保されたことで新たな局面を迎えた。
「今でも火事のことを思い出すと恐ろしくなる。(伯父が)見つかったのであれば、何があったのか真相が分かるかもしれない。そうなると少しは落ち着く」
現場近くに住む80代の主婦は、ややほっとした表情を浮かべた。ただ、亡くなった兄弟について「よく家の前の田んぼで元気に遊んでいたのを見ていた。かわいそうでならない」と話した。
兄弟を知る近所の男性(74)は「本当にかわいい子たち。何でこんな大惨事に巻き込まれたのか、本当にかわいそうだ。2人がキャッチボールをしている光景をもう見られへんと思うと…」と声を詰まらせた。
犠牲になった小学6年の松尾侑城君(12)と1年の真輝君(7)は、仲の良い兄弟として近所で評判だった。キャッチボールが終わると、侑城君が真輝君の手を引いたり、おんぶしたりして帰宅していたという。
兄弟の両親のものとみられる会員制交流サイト(SNS)には、先月13日に12歳となった侑城君のために用意されたケーキを、2人で頰張る姿が投稿されていた。ほかにもバッティングセンターで遊ぶ様子や、キャンプなどに出かける家族の仲むつまじさが紹介されていた。
隣に住む男性(28)は「年齢は離れているけど、夜遅くに2人がはしゃいでいる声も聞こえてきた」と振り返り、「一体何があったのか」と真相解明を求めた。