先日、総選挙があってご存じの通りの結果に終わった。
東京人にとっては、大阪の選挙区で自民党が壊滅し、日本維新の会が大躍進を遂げたことが不思議なのではないか。そのように予測したメディアはなかったと記憶する。
大阪は長らく日本で2番目の街であったが、近ごろは神奈川よりも人口が少ない。ただし、神戸や京都も含めた都市圏と考えれば、日本では首都圏に次ぐ規模である。
東京をはじめとする首都圏の住人は、大阪のことを「東京よりも小さいサイズの街」という捉え方をしている。人口や経済力など、ボリューム面の違いのみの差異で理解しているのである。
それは間違いではない。しかし、かなり重要な部分を見落としている。
大阪の選挙区で勝ち上がった維新の当選者で、関西弁を話せない人は何人いただろう。おそらくいないはずだ。
私は京都市で生まれ育ったが、地元の人と話すときは京都弁である。時に標準語が出てしまうが、気の置けない間柄だと「気持ち悪いな」と言われてしまう。それは大阪でも同じはずだ。
時に大阪で仕事をするときもある。多くの大阪人と接したが、彼らのほとんどは大阪府内かその周辺の出身者である。
ところが、東京で出会った人のほとんどは地方出身者である。ときどき東京都生まれがいるという印象だ。
つまり、大阪はサイズ的には大都会だが、地元人の街。東京はよそ者の街なのである。この違いはさまざまな面に表れてくる。
私のフィールドであるマンション市場で考えてみよう。
大阪のマンション市場では、需要層はほぼ大阪人。一般に関西人というのは、首都圏の人に比べて見栄を張る場面が少ない。それよりも自虐的にボケることを好む。だからなのか、街のサイズの割には見栄っ張り向きのタワーマンションの供給戸数が少ない。