いきもの語り

生後7カ月のキリン「彩羽」 羽村市動物公園

産経ニュース
生後5日目のアミメキリン「彩羽」(右)と母親の「小町」=4月28日、羽村市(市動物公園提供)
生後5日目のアミメキリン「彩羽」(右)と母親の「小町」=4月28日、羽村市(市動物公園提供)

今年4月に生まれたアミメキリンの赤ちゃん「彩羽(いろは)」が、羽村市動物公園のアイドルになっている。誕生後まもなく都に新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、来園者の前に姿を見せられない状況が続いていたが、すくすくと成長。同園でキリンの飼育を担当する磯部雅和(まさかず)さん(35)は「新しい命をつないでいくことは、とても感慨深い」と話す。

キリンの世話をする磯部雅和さん(浅上あゆみ撮影)
キリンの世話をする磯部雅和さん(浅上あゆみ撮影)

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母親の「小町」が雌の赤ちゃんを出産したのは、4月23日。開園中の午前、いつも通り小屋の外にいた小町のお尻から粘膜のようなものが出ているのを飼育員の1人が発見。すぐに破水を始めたため、急いで小屋の中に戻すと、2時間たたないうちに彩羽は生まれた。安産だった。

キリンは野生の本能で、生まれてすぐに立ち上がる。彩羽もふらふらしながら小町の足を支えに立ち上がろうとしたが、なかなかうまくいかなかった。

小町はそのたびに彩羽の体をなめて励まし、なめるごとに「彩羽は力をもらっていた」と磯部さん。ついに立ち上がると、小町は初乳を飲ませようと、乳を飲みやすい位置に体の向きを変えた。彩羽はその日の夜に初乳を飲んだ。

「小町は本当に良いお母さん。24時間以内に赤ちゃんキリンが初乳を飲まないと、人工ミルクを飲ませる必要がある。小町はサポートしてくれた」

名前の漢字は8月、同園がツイッターで募集して決まった。「彩」の漢字は「未来が彩り豊かになるように」との願いが込められ、「羽」は羽村市に由来している。

おっとりした性格で、「他のキリンより2テンポほど遅く、マイペース」と磯部さん。閉園後、小屋の扉を開けると他のキリンはすぐに入ってくるが、彩羽はなかなか入ろうとせず、外をうろうろしている。

飼育員の間では、色白のキリンと呼ばれている。茶色の模様が他のキリンより薄く、白の部分も多い。体にハート形の模様があるのは、小町と同じだ。

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磯部さんは同園に来て15年目で、ほとんどの期間、キリンを担当してきた。小町にとって彩羽は4番目の子供。磯部さんは小町の初めての出産を今でも思い出すという。

当時、体がまだ小さかった小町は、出産に耐えられないのではと心配された。12月の寒い日に産気づき、飼育員は暖房を効かせた部屋を作って備えた。大変な難産で、夕方に赤ちゃんの足が出たが、生まれたのは日付が変わるころ。磯部さんは「小町は頼もしくなった」と目を細める。

彩羽の姉にあたる2番目に生まれた雌のキリンは、今は北海道釧路市の動物園におり、2年前に赤ちゃんを産んだ。磯部さんは「小町ももうおばあちゃん。自分が見ていたキリンが次の命をつないでいくのはとても感慨深い。これからも新しい命をつなぐお手伝いがしたい」と話した。(浅上あゆみ)

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