臭い出ないカメムシ捕獲グッズは大ヒットの予感

産経ニュース
ぱっくりんを開発した浜村拓志さん(左)と父の雅男さん=島根県出雲市
ぱっくりんを開発した浜村拓志さん(左)と父の雅男さん=島根県出雲市

触ると悪臭を発する「カメムシ」。寒い時期になると暖を求めて家の中に入り込んでくることが多いが、簡単にカメムシなどの害虫を捕獲できるグッズ「ぱっくりん」を島根県出雲市の浜村木材が開発した。結婚当初、カメムシが苦手だった妻のために、専務の浜村拓志(たくゆき)さん(46)が約8年かけて試行錯誤して生み出した力作だ。果たして完成したグッズを妻は喜んでくれたのか。

壁に押し付け、ぱっくりんの使い方を教えてくれる浜村拓志さん=島根県出雲市
壁に押し付け、ぱっくりんの使い方を教えてくれる浜村拓志さん=島根県出雲市

パワースポットの地で

島根県東部に位置する出雲市佐田町にある浜村木材。佐田町は85%以上が森林で「日本一のパワースポット」と呼ばれる須佐之男命(すさのおのみこと)ゆかりの須佐神社が鎮座する山間の町だ。

「13年前に妻と結婚したとき、島根の中でも都市部出身の妻はカメムシをほとんど見たことがなかった」と拓志さんは話す。

妻の智美さん(34)は家の中に大量のカメムシが入ってくるのに驚愕(きょうがく)。自身の手で駆除できず、見つけたカメムシの上に、紙コップをかぶせるのが精いっぱい。それを片付けるのは、仕事から帰宅した拓志さんだったという。

「妻の嫌がるカメムシを、直接触らずに遠くから捕獲できたら」と、拓志さんはグッズの開発を決意。百円ショップに通っては、しゃもじや粘着クリーナーなどを購入しては「あーでもない、こーでもないと試していた」。

ヒントは、8年前に知人の口から出た「マジックハンド」というキーワードだった。マジックハンドのような器具の先に粘着シートをセットすれば、床はもちろん、壁や天井にいるカメムシでも押し付けてシートにひっつけ、捕獲できるのではないか。父親で浜村木材社長の雅男さん(72)の協力も得て試作品作りを重ねた。

持ち手をぐっと握ると先が閉じる形状のため、スムーズな閉じ方や、カメムシをつぶさないで捕獲できる粘着シートの隙間を計算し、ついに今年3月に完成。8月から正式に販売にこぎつけた。

吉田くんも応援に

意外な後押しもあった。人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の主人公で、島根県の「しまねSuper大使」を務めるキャラクター「吉田くん」が県内の企業とグッズや商品を開発し、クラウドファンディングで支援者を募る「島根×吉田くん新グッズ開発プロジェクト」の第1弾の企業として浜村木材が選ばれたのだ。

商品パッケージには吉田くんが印刷され、のぼりなどでも吉田くんがぱっくりんをアピールする。「作っている最中は、『こんなの使う人いるの?』などと疑問を投げかけられることもあったけれど、多くの人に助けられた」と拓志さんは振り返る。

浜村木材は本社近くに「カメムシさん対策室」という別室を設けた。従業員は社長を含めて6人だが、対策室はデザイン会社や製造を受け持つ企業の担当者など5人ほどと力を入れる。ぱっくりんは特許も取得しており、社長の雅男さんは「私らはカメムシに慣れてるから何ともないが、世の中の役に立つように」と話す。

旅館でも大助かり

反響もすぐにあった。県内の山間部のある旅館からは一度に十本以上の注文が寄せられた。

これまでその旅館では、客室にあらかじめ粘着テープを置き、カメムシが入ってくると客自らが粘着テープにカメムシを包んで処理してもらうシステムだったが、壁などに粘着テープがはられたままになっていることも多く、掃除に苦労していたという。

それがぱっくりんを使えば、客はカメムシに触れずに捕獲でき、粘着シートをごみ箱に捨てるだけで、客にも旅館にも喜ばれたという。また、北海道から九州まで、全国から問い合わせや注文があった。

ところで、開発のきっかけとなった妻の智美さんの反応はどうだったか、拓志さんに聞いてみた。すると「8年かかっている間に、妻のほうが環境に慣れて、自分でカメムシを処理できるようになりまして…」。智美さんの進化の方が早かったようだ。(藤原由梨)

本体3300円(専用捕獲シート2枚付き)、捕獲シート8枚入り440円。カメムシだけでなく、ムカデやゴキブリなども捕獲できる。問い合わせは浜村木材カメムシさん対策室(0853・84・9787)。

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