スポーツ新聞の編集局には歌手や俳優の方々が新曲や舞台の告知で来社することがある。東京本社に勤務していたときは、デビューまもない頃の初々しい乃木坂46のメンバーも来社したことがあった。白石麻衣、生駒里奈、秋元真夏といった今から考えるとそうそうたる顔ぶれだったが、当時はアイドルに詳しくなかったので、ありがたみが分からなかった。もう二度と来社してくれることはないだろうなぁ。
大阪本社にもその数は少ないものの、モーニング娘。’21らを擁するハロー!プロジェクトはわりと関西キャンペーンに積極的で、いろいろなグループのメンバーが来社した。中でも、実力派といわれるJuice=Juiceは4回取材する機会があった。来阪メンバーは毎回変わるが、現リーダーの金澤朋子(26)はいつも同席していた。芸能界がコロナ禍で苦しんでいた昨年3月末にも新曲のPRで来阪。予定していたコンサートが軒並み中止になるなど厳しい時期だったが、「SNSなども活用して、ファンのみなさんと楽しみを共有できることをもっと考えていきたいです」と話していた。
その金澤が今月24日の横浜アリーナ公演をもってグループを卒業する。わずか1カ月半前の10月6日に突然発表された理由は、子宮内膜症の治療に専念するというものだった。悪化すると不妊につながる可能性もある病気で、長期にわたる治療が必要だそうだ。金澤は20歳だった2016年1月に子宮内膜症であることを公表。薬などで加療しながら芸能活動を続けていたが、今年9月に体調不良で一時活動休止。医師から治療に専念するように勧告を受けたという。
金澤はひときわ目立つ個性的な歌声で、抜群の歌唱力と表現力を生かしてソロでもコンサートを行ったりシングル曲を発表するなど、活動の場を広げていた。ハロプロの先輩でもある歌手、松浦亜弥も子宮内膜症だったことを公表して活動を縮小したが、結婚後は3人のお子さんに恵まれている。金澤も体調がよくなれば、ソロでの活動再開も考えるという。そのときはわが編集局にまた…と言える世の中になっていたらいいなぁ。(牧慈)