大王製紙エリエールレディスオープン第3日(20日、エリエールGC松山=6545ヤード、パー71)シード圏外の賞金ランキング54位、メルセデスランキング61位からの逆転シードを目指す柏原明日架(25)=富士通=が71で回り、通算12アンダーで首位と2打差の2位と好位置をキープした。5つ伸ばした原英莉花(22)=日本通運=が単独首位に立ち、賞金ランク1位の稲見萌寧(もね、22)=都築電気=は通算5アンダーの25位。渋野日向子(23)=サントリー=は70で回り、通算6アンダーで19位につけている。
■賞金ランク54位から 苦しい一日を2バーディー、2ボギーのイーブンパーで乗り切った。首位の座は明け渡したが、2打差の2位。逆転での6季連続のシードどころか優勝も狙える位置にいる。ツアー史上3人目となる〝下克上〟まで残すは最終ラウンドだけ。柏原が力強く宣言した。
「スコアを伸ばしたかったけど、(首位とは)そんなに開いていない。プラスに考えるしかない。優勝? もちろん狙います」
1番(パー4)のティーショットは大きく右に曲げ、林の中に入れた。2打目は出すだけ。3メートルのパーパットを外す暗雲のスタートとなったが、慌てなかった。
「風に流されてきたクモの巣が顔について、取れないうちに名前をコールされて、バタバタと打ってしまった。ゆっくりやればよかった。緊張していたんだと思う」
その後は冷静にパーを重ね、2オンに成功した9番(パー5)で最初のバーディー。後半のインも粘ってみせた。柏原の地元・宮崎市で開催される次戦の今季最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」は出場人数が限られるため、今大会がシード争いの最終戦。賞金ランク54位からシード圏内の同ランク50位に入るためには、単独15位以上が最低条件だったが、優勝すれば地元に〝凱旋〟もできる。
「早く楽になりたいと思うけど、そう思うと自分で自分の首を絞めることになる。気を緩めず、集中していきたい」
シード争いの最終戦を制して、シードを獲得した選手は過去に2人しかいない。2打差を逆転すれば19年ぶりの快挙。ドラマチックすぎる2年ぶりのツアー3勝目は、手を伸ばせば届くところにある。(臼杵孝志)