北海道胆振(いぶり)管内むかわ町の高齢者グループホームで、職員が高齢の入居者に精神的虐待を行ったとして、むかわ町がグループホームを運営する同町穂別の社会福祉法人愛誠会に対し、介護保険法に基づく改善指導を行っていたことが19日分かった。入居している高齢者9人のうち、数人は人を怖がるなどの影響が出ているという。同町の竹中喜之町長は「あってはならないこと。法人側には早急に改善するよう指導した」と話している。
虐待行為が確認されたのは同町穂別の「穂別高齢者グループホームみのり」(定員9人)。町から指定管理を受けて同法人が運営している。
町などによると、今年8月上旬、道の出先機関の胆振総合振興局に匿名で通報があった。同13日に同振興局から連絡を受けた町が、グループホーム職員や入居者に聞き取り調査を行ったところ、職員の1人が大声で高圧的な態度を取ったり、命令口調で接したりしていたことが分かった。
当該職員は精神的虐待をしていたことを認めており、反省しているという。現在は法人内の別の高齢者施設で入居者とかかわらない業務に就いている。
町は虐待行為が確認されたとして、同法人に対し今月13日付で▽暴言・暴力について早急に対応▽入居者の安全確保と施設運営の研修体制見直し▽事故発生時の対応▽職員のケアの質向上▽入居者の家族に対する対応―などを文書と口頭で指導した。
同法人は改善指導を受けて19日午後、入居者9人の家族に対する説明会を行い、2家族2人が参加した。出席できなかった家族に対しては「直接訪問して説明する」と話している。
町は22日午後4時から町役場で会見を開き、虐待の概要などを説明する。