EU、移民の「ハイブリッド攻撃」に危機感

産経ニュース
11日、ベラルーシ西部でポーランドとの国境地帯に集まった難民ら(ゲッティ=共同)
11日、ベラルーシ西部でポーランドとの国境地帯に集まった難民ら(ゲッティ=共同)

【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)外相理事会は15日、ベラルーシがEU側に移民を送り込み、「ハイブリッド攻撃」を仕掛けているとして、同国への制裁強化を決定した。EUは、ベラルーシとその背後にいるロシアが、軍民両面の多重圧力で、欧州を揺さぶっているとみて危機感を強めている。

EUの声明によると、今回の制裁は、移民に違法越境を促した個人や組織が対象となる。航空会社や旅行代理店、その経営者に対して資産凍結、渡航禁止といった措置を科す計画で、近く対象リストが発表される。

ベラルーシは、イラクやシリアでEU行きを希望する人に旅行用の査証を発給し、国内に誘導した上で、ポーランド国境地帯に移送している。移民にペンチを渡し、鉄条網を破って国境突破を煽(あお)っているとの情報もある。プーチン露大統領は関与を否定したが、ボレルEU外交安全保障上級代表は15日、記者会見で「ベラルーシがロシアの支持なしにやっているとは思えない」と述べ、ロシアが後ろ盾だと主張した。

国境地帯で野営する移民は2000人以上。現地の気温は5度まで冷え込み、ポーランド警察によると、死者も出ている。

ボレル氏は14日には、ベラルーシのマケイ外相と電話で会談し、国境地帯の移民に対する人道支援や、出身国への送還に協力を求めた。だが、ベラルーシ側はEUが制裁を強化すれば、報復すると警告しており、対立が埋まっていない。

ベラルーシが仕掛けた移民危機と並行し、ロシアは軍事でEUに圧力をかけている。

ロシアはベラルーシとともに12日、同国の国境付近で合同軍事演習を実施。さらに、ウクライナ国境に露軍部隊を集結させており、ウクライナのゼレンスキー大統領は「10万人近い規模だ」と訴えた。EUのバルト三国は共同声明で、ベラルーシやロシアの挑発行為が軍事衝突に発展する恐れがあると警告している。

EUは昨年以降、ベラルーシの反体制派弾圧などを批判して制裁を次々と発動。すでに約170個人・団体が対象となっている。ロシアに対しても野党指導者の暗殺未遂事件をめぐって制裁を科してきたが、両国は挑発を強めるばかりで手詰まりなのが現状だ。EUはエネルギーをロシアに依存し、天然ガスでは輸入の40%をロシアに頼る。

ポーランドのドゥダ大統領は移民危機で、米主導の北大西洋条約機構(NATO)による対応を求めており、リトアニアやラトビアも、ポーランドの提案を支持した。

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