米中首脳会談 大国間競争「管理」の困難、浮き彫り

産経ニュース

【ワシントン=大内清】バイデン米大統領と中国の習近平国家主席による初のオンライン首脳会談は、台湾情勢や中国による人権弾圧など多くの懸案で議論が平行線をたどった。バイデン政権は今回の会談を、今後数十年にわたる大国間競争に備えた共通の土台作りの糸口と位置づけるが、米政権が唱える「責任ある競争管理」に基づく米中関係を実現させることの難しさを逆に浮き彫りにする結果となった。

バイデン氏は会談で、台湾海峡の平和と安定を脅かす一方的な行動に強く反対するなど、中国に対する従来の立場を繰り返し訴えた。米政権高官は会談後、記者団に「過去の電話会談よりも活発なやり取りができた」と強調したものの、習氏との間で米中の緊張回避に向けた新しい枠組み作りなどの具体的合意には至らなかった。

ホワイトハウスは中国との関係を「歴史的に類似例のない、ダイナミックで複雑な競争」と表現し、東西冷戦における旧ソ連に対する単純な「封じ込め」政策とは異なると強調する。

米国は中国と経済や安全保障など数多くの分野で厳しく競争する一方、互いの国益が一致する分野や地球規模の問題では協力関係にある。このため対決一辺倒ではなく、競争と協調を巧妙に使い分けていく必要があるとの認識だ。

だからこそバイデン氏は今回の会談で、米中の競争が衝突に発展しないよう「戦略的リスクの管理」を進め、対話のチャンネルを維持し、衝突回避に向けた「常識に基づくガードレール(防護柵)」を構築していくべきだと訴えた。

当初から具体的な成果が見込めないにもかかわらず、バイデン氏が習氏との会談に踏み切ったのは、対話を通じた緊張緩和の重要性を身をもって示す狙いもあったとみられる。

一方でバイデン政権高官は、米国からの圧力だけでは「中国(の態度)は変えられない」という現実も認識している。

そのためには同盟・パートナー諸国との連携を通じ、自由や民主主義といった共通の価値観でつながる陣営に有利な国際環境を形成していくことが必須だ。

日米豪印4カ国による「クアッド」や、米英豪の新たな軍事協力体制「AUKUS(オーカス)」といった多国間の枠組みを重視するのはその表れだ。

バイデン氏はまた、会談当日の15日(米東部時間)、1兆ドル(約110兆円)規模の超党派によるインフラ投資法案に署名し、中国に対抗するために巨額の政府支出で自国の競争力を高める姿勢を示した。

手本となる前例がない、バイデン政権の手探りの対中外交は、これからが正念場だ。

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