実を言うと、マンション市場で建物が完成して1年以上も販売を続けている物件が珍しくない。そんな物件の販売担当者はこう言う。
「建物が完成してから2年で完売させるのは当初からの計画通りです」
多くの一般消費者は、こういったデベロッパーのトークをうのみにしてしまう。それはそれで仕方がない。
私にコメントを求めてくるメディアの記者でさえ、売主側の「大本営発表」を半ば信じている。名のある企業の広報担当がウソをつくわけがない、と考えているのかもしれない。
不動産会社のすべてとは言わないが、一般消費者を平気であざむくことに何の躊躇も感じない会社はある。そんな会社に長らくいると正常な感覚は摩耗していく。この業界の離職率の高さは、そんなところを映し出してもいる。