伊藤園レディス第2日(13日、千葉・グレートアイランドC=6741ヤード、パー72)首位と2打差の3位から出た、賞金ランキング1位の稲見萌寧(もね、22)=都築電気=が8バーディー、ボギーなしの64をマークし、通算10アンダーで単独首位に浮上した。1打差の2位に上田桃子(35)=ZOZO。賞金ランク3位の小祝さくら(23)=ニトリ=は通算11オーバーで予選落ちし、賞金女王の可能性が消滅。渋野日向子(22)=サントリー=も予選落ちした。
色とりどりに染まった木々に囲まれた会場で、稲見のスコアボードにバーディーを示す赤い丸が8つ並んだ。賞金女王に近づく首位浮上だ。
「パター(パット)が入ってくれたのがスコアにつながった。自分がプレーをしていた感じよりもスコアが出ていた」
1番(パー4)で1打目を右の木に当てたが、フェアウエーに戻り、バーディー発進。5番からはいずれもピン2メートル以内にからめて3連続バーディー。12番からも3連続など、一気に伸ばした。
4週前の「富士通レディース」から抱える腰痛は、痛み止めを飲んだり温めたりすることで緩和。だが「インパクトから腰が固まって動かなくて。スイングに違和感がある」といい、自己評価は「調子はめちゃくちゃ悪い。50点」という。それでも落ち着いてグリーンをとらえていった。
今季(2020-21年統合シーズン)8勝し、賞金ランク首位。百花繚乱(りょうらん)の女子ゴルフ界でも抜けつつある稲見についてこの日、ツアー通算50勝を挙げ、00年から6年連続で賞金女王となった不動裕理は「『穏やかなゴルフ』をする。派手なプレーではないが、確実にバーディーを取っている感じ」と表現。今大会は49位で予選通過した45歳のレジェンドも、堅実なスコアメークに脱帽する。
今大会を含めて今季は残り3戦。賞金ランク3位の小祝さくらが予選落ちし、逆転される可能性が消えた。約397万円差で同ランク2位の古江と一騎打ちの形になったが、古江は9打差の13位で最終日へ。差を広げるチャンスだ。
「そこ(賞金女王)に特別な目標を置いているわけではない。万全な状態であしたの朝スタートできるように、楽しく回れれば」
いつも通り冷静に語る稲見。元最強女王も認める強さで、このまま突き放す。(高橋朝香)