藤井四冠、「燃えよドラゴン」魂でつかんだ新竜王 幼少期の師匠・文本力雄さんが語る魂の基本

サンスポ
四段昇段を決めた中学2年時の藤井新竜王(左)と文本さん(文本さん提供)
四段昇段を決めた中学2年時の藤井新竜王(左)と文本さん(文本さん提供)

開幕4連勝で豊島将之竜王(31)を破り、史上最年少四冠、そして初の10代四冠となった藤井聡太新竜王(19)。地元の愛知県瀬戸市で20年以上、「ふみもと子供将棋教室」を開いている文本力雄さん(66)は新竜王の5歳から10歳までの幼少期に、将棋を最初に教えた。快進撃が続くまな弟子に向けて、厳しくも温かいエールを送った。(取材構成・丸山汎)

竜王に4連勝してのタイトル奪取。聡太は、これまで大きく負け越していた豊島さんを今期は逆転しました。それもタイトル戦の中で。大したものだと思います。

ただ、聡太にはこれも宿命なのです。2016年に彼が四段に昇段し、翌17年に瀬戸市で開かれた「祝う会」で、私は言いました。「藤井聡太の前に藤井聡太なし。藤井聡太の後に藤井聡太なし」。竜王奪取も、彼には通過点です。

聡太が私の将棋教室に通っていた頃、私は彼が日本一の子供だと思いました。当時から「迷ったら、強い手を指しなさい」と教えました。

そして、聡太に繰り返し見せた映像があります。映画「燃えよドラゴン」(1973年公開)のオープニングでした。主演のブルース・リーが拳法の猛者と組み手を行う、迫力ある場面。勝負に最も大切なのは「気合」であることを教えたかったのです。

小学4年で私の教室を巣立ち、プロ棋士養成機関の奨励会に入会する際は、「名人を目指すならもう応援しない。名人を超えろ」と伝えました。彼はじっと黙っていました。10歳ではまだ、言葉の意味が分からなかったでしょう。彼が地元のラジオ局に呼ばれ、今後の目標に「名人を超えたいです」と口にしたのは、半年後のことでした。

いまも聡太が胸の中で、その意味を自問してくれていたら、うれしく思います。いくら強いといっても七冠時代の羽生善治九段、あるいは升田幸三さん(故人、実力制第四代名人)のような偉大な名人たちには、まだ遠く及びません。

囲碁の世界には、その石が生きているか死んでいるか判別がつかない状態を表す「未生」という言葉があると聞きます。彼も、本当の姿はまだ見せていない。いまだ「弱い石」であり、修行の途上なのです。

まだまだがむしゃらに、勝負にこだわればいい。全ては全冠を制覇し、名人になってからのこと。今後は盤上以外で積むさまざまな経験が、彼の将棋に厚みと強さを持たせていくことを希望します。

いまの彼に必要なのは、美辞麗句ではありません。「聡太、修行者であることを忘れるな」。それを、私からの期待と祝福の言葉にしたいと思います。(談)

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