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伝統支える「日本の色」 染織家 吉岡更紗さん 

産経ニュース

一方で、社寺の伝統的な祭事に関わる仕事も多く手掛ける。例えば、お水取りで知られる奈良・東大寺の修二会(しゅにえ)で使われる椿の造り花は「染司よしおか」で染めた和紙で作られる。そうして、伝統行事を支える重要な役目を担ってきた。

更紗さんは三姉妹の末っ子。アパレル会社で勤務するなど当初は別の仕事に就いていたが、「だれかがやらなければならない仕事」を継ぐ決心をする。

「染めだけでなく、糸や織りについての知識も必要と考えました」

そこで愛媛県の西予市(せいよし)野村シルク博物館や養蚕農家などで学んだ後、生家に戻った。父の教えはシンプルで深いものだった。

「見る目を鍛えろ、でした」


良しあし見極める「目の記憶

江戸時代から200年以上続く「染司よしおか」の6代目、吉岡更紗さん。染色の第一人者だった5代目の父、幸雄さんの教えは「目を鍛えろ」だった。

「色なり、物なり、生地なり、その良しあしを見極める目。目の記憶をしっかり整えるようにと、よくいわれました」

目の記憶とは、ちょっと不思議な言い回しだ。普通は技術的なことを教わるものだと思ったが…。

「教えてわかるものじゃないことを学べ、ということなのだと思うのです」と更紗さん。

「例えば、技術なら教えられて学ぶ、または見て盗んで学ぶ。そういうものとは違って、自分の目で見て何がいいか何が悪いかがわかるようになれ、という意味じゃないでしょうか」

なるほど。〝もの見る目〟を養うということだろう。そのうえで何を目指すのかが大事なのだという。

「目標をどこにおくか。その値が低ければそこで満足してしまうでしょう。目標を高いところに置くには、どんな色がきれいで透明感があるのか。また、その染料にとって一番いい色とは何か。この透明感こそ、と自信を持っていえる基準を自分の中で持っていることが大切なんだと思うんです」

工房に入って仕事をするうち、分かってきたことがあったそうだ。まずめざす色があり、それを表すために試行錯誤をする。そんな父たちのやり方だった。

では理想とする色とは何か。更紗さんは「澄んだ、濁りのない色」という。

工房では植物染めにこだわってきた。花や葉、樹皮、根、実など自然から採取したもので糸や布を染める伝統的な染色方法だ。平安時代の年中行事などを記した『延喜式』を参照し、同じ技法で昔の色と同じ色に染めることに専心している。

「使うのは自然のものだけと決めています。染める生地も木綿や麻、絹など自然素材のものです」

それゆえの苦労もある。

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