対面授業、大学手探り 入試シーズンに第6波懸念も

産経ニュース

新型コロナウイルスの感染者数減少に伴い、各地の大学が制限を緩和して対面授業の再開に踏み出している。学生らへのワクチン接種が進んだことも一助となり、コロナとの共存を見据えたオンラインを併用する授業スタイルも背中を押した。ただ、冬場には感染拡大の第6波が懸念されることから、来年春の入試や入学式など繁忙期を控え、大学関係者の警戒感はなお根強いのが実情だ。

オンラインも併用

「ハロー、エブリワン!」。東京都文京区にある東洋大の白山キャンパス。今月10日午後の「国際キャリア概論」の授業では、学生たちが英語で自己紹介をしていた。秋学期は9月から始まったが授業はオンラインで行われており、対面で行われたのはこの日が初めてだった。

履修者27人のうち、教室に集まったのは13人。コロナ禍で来日できずにいる留学生を含めた残りの学生らはオンラインで出席し、グループに分かれて日米の価値観の違いなどについて議論を交わしていた。

社会学部2年の宮下誠生(まさき)さん(21)は「オンラインよりも他の人の意見を聞きやすい」と対面授業の再開を喜んだ。

ワクチンが後押し

東洋大では今月1日から学内活動の制限を緩和。対面形式の授業を増やし、原則禁止としていたサークル活動などの再開も認めた。

「学生の接種率が緩和に踏み切る根拠となった」。教育担当の東海林(しょうじ)克彦副学長はこう説明する。学内で行っていたワクチン接種は10月中旬に終了。大学の聞き取りなどからは、推定で8~9割の学生が接種している結果が出たという。

こうした接種率の高まりが「正常化」の一助となった。全国でも今月8日時点で2回目の接種を終えた20代の割合は65・99%。職域接種の一環として行われた大学を拠点とした接種もほぼ完了しており、若年層接種の底上げに寄与した。

目下、東洋大では来年の春学期に向けた準備が進む。2年生は昨年4月の入学後、オンライン中心の学生生活を余儀なくされており、「学内の交流など本来の学生生活を取り戻すために全力を尽くす。来年4月からはコロナ禍前の状況に戻すことを基本として検討を急ぐ」(東海林氏)。

感染再拡大に不安

ただ、先行きには不安材料も少なくない。冬場には感染拡大第6波を指摘する声もある。来年1月には2回目となる大学入学共通テストが予定され、その後も個別入試や卒業式、入学式の実施など重要なイベントが数多く控えている。

10月18日から制限を緩和して対面授業中心に切り替えた関西学院大(兵庫県西宮市)は10月から11月下旬にかけて、全国で受験生や保護者を対象にした入試説明会を開催している。6、7月に行った同様の説明会では、感染対策で来場者数の制限を余儀なくされたが、緊急事態宣言解除後の今回は収容人員を増やすことができた。

今月1日には、来年4月からの授業を基本的に対面形式で実施する方針を公表した。広報担当者は「学生や保護者の関心も高いので、大学側の方針を早期に伝えたかった」と話す。

教育関係者の間では、年明けの入試シーズンの感染状況が注目される。「感染が急遽(きゅうきょ)拡大しても対応できるように準備を進めておきたい」。関西学院大の担当者がこう語るように、各大学とも昨年の入試を乗り切った経験を踏まえ、警戒感を高めている。(玉崎栄次)

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