警察悩ます詐欺グループの「スピード感」 目まぐるしく手口変化 

産経ニュース

新型コロナウイルスに東京五輪・パラリンピック、アフガニスタンの政権崩壊-。目まぐるしく動く社会情勢を利用し、次々と現れる巧妙な手口の特殊詐欺。多くの人が1本の電話で途方もない噓を信じ込み、多額の金をだまし取られているのが実情だ。警察当局は「内容にかかわらず、金銭を要求してくる不審電話には警戒してほしい」と呼び掛けている。

「コロナワクチンの代金請求の案内です。振込用紙を送りますので、届いたらコンビニなどで手続きしてください」

6月下旬、大阪府内の男性宅に女性の声で電話がかかってきた。女性から告げられた代金は2回分の1万7千円。本来ワクチン接種は、国が費用を全額負担しているため、個人負担はないはずだ。不審に感じた男性は電話を切った後に同居の親族に相談したため被害には遭わなかった。

国民生活センターによると、ワクチン絡みの詐欺と疑われる相談は全国で急増しており、10月7日時点で297件にのぼる。内容も接種状況や時期によって変遷しており、ネット予約に苦戦している高齢者らを狙い、予約代行を持ち掛けて個人情報の引き出しなどを狙う事案も確認されるようになったという。

かつて、親族を名乗って金銭を振り込ませる手口が横行し、「オレオレ詐欺」と呼ばれていた特殊詐欺。近年は多様な手口が見られるようになった。

今夏の東京五輪をめぐっては、開催決定後に大会に乗じた手口が全国で横行。関連団体を名乗る人物から身に覚えのない入場券の代金を請求されたり、開催決定にかこつけて「株が上がったので売らないか」と持ちかけられたりする不審電話などが目立った。

また、8月にイスラム原理主義勢力タリバンがアフガニスタンを制圧した際は、アフガン退避を希望する日本人を装い、航空機の費用として会員制交流サイト(SNS)上で資金を募る事案も発生し、外務省が注意を呼びかけている。

「犯行グループのスピード感になかなか手を打てない」。ある捜査関係者は頭を抱える。新型コロナ感染拡大初期は、国の持続化給付金制度をかたった詐欺が横行した。注意喚起などの対策に追われているうちに、いつのまにかワクチン接種の代金を請求する手口が主流となっていた。「どんどん巧妙化している。次はどんなことをやってくるのか」と警戒する。

近畿大の辻本典央教授(刑事法)は「詐欺という犯罪の性質上、人を信じ込ませることが重要になるので、人々が関心を寄せる社会情勢を利用できれば犯罪は成功しやすい」と指摘。その上で「警察は詐欺の計画段階から察知するなどして、いち早く傾向を予測して対処する必要がある」と述べた。(宇山友明)

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