ヤクルト・奥川“覚醒の秘密” ファイナルSの大一番で無死球9K完封 伊藤コーチ「何も教えていない、彼は天才」

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大一番でプロ初完封を遂げた奥川(左)は女房役の中村から祝福を受けてハタチの笑顔=10日、神宮球場
大一番でプロ初完封を遂げた奥川(左)は女房役の中村から祝福を受けてハタチの笑顔=10日、神宮球場

セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(神宮)は10日、第1戦が行われ、リーグ優勝のヤクルトが3位巨人に先勝。アドバンテージを含め2勝とした。高卒2年目で初戦の先発を任された奥川恭伸投手(20)は、9回をわずか98球で投げ切り6安打、無四球、9奪三振の無失点。リーグ戦でも未経験の完封勝利を大一番でやってのけた。ちょうど1年前のこの日、同じ球場で1軍デビューも大炎上したシャイな若武者が大化けした秘密とは―。 (塚沢健太郎)

「ファイナルの初戦を投げると聞いたのはすごく前で、そのときから緊張していました。大きな1勝になった。すごくほっとしています」。そう話す奥川の笑顔はまだ初々しいが、これで巨人戦はリーグ戦を含め3戦全勝。CSファーストステージ(甲子園)で阪神を破り、勢いに乗る強力打線を手も足も出ないような投球でねじ伏せた。

高津臣吾監督(52)は「勝っても負けても、彼のゲームだと思っていた」と心中覚悟で初戦を20歳に託したことを明かしつつ、「こうして最後まで投げ切るイメージはしていなかった。少ない球数で、ドンドン勝負していった結果が最後まで投げ切ることができた」と絶賛した。

星稜高のエースとして2018年夏の甲子園で準優勝。同年秋のドラフト1位で巨人、阪神との競合の末に高津監督がくじを引き当てた。ちょうど1年前の11月10日、最下位に沈んだシーズンの最終戦で1軍デビューを果たしたが、広島に3回途中9安打5失点でKOされ、防御率22・50という成績だけが残った。

今季も高津監督は「数字より1年間しっかり投げ切ることが目標だった」という育成方針で臨んだが、「大一番でこれだけの投球するところまでは、さすがに想像していなかった」と驚異の成長ぶり。わずか1年でいったい何があったのか。

伊藤智仁投手コーチ(51)は「奥川に関しては本当に何も教えていない。彼は天才だから」と仰天発言。もちろん、しっかり指導はしているのだろうが、かつて野村克也元監督が「教え子の中では一番」と称した伊藤コーチをして「天才」と言わしめるほど、奥川には高いポテンシャルがあるのだという。

高津監督は「技術はもちろん」と太鼓判を押したうえ、優しげでおとなしそうな見た目とのギャップにも言及。「目を見て話しているうちは、ちょっとよくわからないけど。相当のメンタルの強さ、野球脳、野球の頭、心もしっかりできていると思う」と分析する。

「いろんなところでレベルの高い勝負をしている。真っすぐが速かったり、変化球のキレ、コントロール、最後は心、頭の中。目指しているところは、高いところに置いている感じがします」と明るい未来を展望。そして「2021年の11月10日の初戦に投げて巨人を完封というのが、この日があって成長できたと5年後か10年後か、思い出せる試合になってほしい」と、〝出世試合〟になるように願いを込めた。

この日の快投からは、待望久しいセ・リーグのスーパーエース誕生の予感すら漂う。西武の松坂に始まり、日本ハムのダルビッシュ(現パドレス)や大谷(現エンゼルス)、楽天の田中ら日本球界を代表し、メジャーへ羽ばたくような投手はパ・リーグばかり。ドラフト時に星稜高の山下智茂名誉監督が語った「今はパ・リーグも人気がある。奥川にはヤクルトで活躍してもらってセ・リーグを盛り上げてほしい」という期待が、早くも現実となりつつある。

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