柄本明「ユートピアに浸って」 舞台「本日も休診」

産経ニュース
「この作品の世界観は、どこか民話的なところがありますよね。見川先生は人間関係をあたたかく俯瞰している」と話す柄本明(酒巻俊介撮影)
「この作品の世界観は、どこか民話的なところがありますよね。見川先生は人間関係をあたたかく俯瞰している」と話す柄本明(酒巻俊介撮影)

舞台「本日も休診」が12日から、明治座(東京都中央区)で上演される。昭和の高度成長期、那須高原の小さな診療所を舞台に、田舎の心温まる人間模様が描かれる。主演の柄本(えもと)明は「人間をあたたかく見つめた、ユートピア的な世界に浸ってほしい」と話す。

実在した医師、見川鯛山(みかわ・たいざん)による人気エッセー「田舎医者」シリーズをもとに、水谷龍二が脚本を書き下ろし、ラサール石井が演出。50年来の俳優仲間である佐藤B作、ベンガル、笹野高史(たかし)らが出演する。彼ら演じる地域の人たちと、自身が演じる見川医師とのユーモラスな騒動が楽しい。「〝戦友〟との同窓会みたいだ」と目を細める。

半世紀近く俳優を続け、映画や舞台、テレビなどで幅広く活躍。名優として知られるが「俳優業にはコンプレックスを持っている」という。「『あわよくば、お客さんを感動させたい』みたいな欲望を抱くとね、それを見透かされる。でも欲望を捨てきれない。情けない」。プロ意識の高さゆえの悩みだ。

今作でも「本当の見川先生は大変な二枚目なのに」と理想との差に悩む。「でも、自分なりに自分のものでやるしかない」と話し、「少しでも、のどかな世界をお届けできたらと思います」とはにかんだ。

28日まで。問い合わせは明治座チケットセンター、03・3666・6666。(三宅令)

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