パナソニックが構築したDXのシステム事業は、そういった成功事例に連なることができるのか。
「日本はこれからサプライチェーンのソフトウエアが普及する段階に入る」
パナソニックのシステム事業責任者の樋口泰行専務執行役員はこう話し、システム事業の強化を図る。今年9月には約8600億円を投じてブルーヨンダーを買収した。
ブルーヨンダーはAIによって需要や納期を予測するソフトウエアの開発を手がけており、米ウォルマートやコカ・コーラ、独メルセデス・ベンツ、英ユニリーバなど世界約3300社を顧客に持つ。パナソニックが磨いてきた現場を支援するサービスとサプライチェーン管理のノウハウをつないで、新たなシステムの構築が可能となると見込む。
モノ作りを強みとしてきたパナソニックならではのDXを新たな収益の柱に成長させることができるのか。樋口氏は「ハードウエアだけでは戦えないため、システムのサービスに移行している会社が多いが、パナソニックはハードとソフトの組み合わせを追求する」とも強調している。(桑島浩任)