ウイズコロナでも給付金 経済対策に危うさ

産経ニュース
フェイスシールドを装着した職員にバッジをつけてもらう岸田文雄首相=10日午前、国会内(松井英幸撮影)
フェイスシールドを装着した職員にバッジをつけてもらう岸田文雄首相=10日午前、国会内(松井英幸撮影)

自民、公明両党は10日、追加経済対策の柱となる18歳以下への給付金で年収960万円の所得制限を設ける方針を固めたが、子育て世帯の大半に行きわたるとみられ事実上「バラマキ」の要素が強い。新型コロナウイルスと共存する「ウィズコロナ」経済が動き出す中、コロナが深刻だった昨年と同様に限られた予算を「薄く広く」使う対策が消費刺激や弱者救済に効果があるのか、疑問視される。

給付金は世帯主の所得水準に応じて子供が中学校を卒業するまで支払われる児童手当の仕組みを活用。振込口座を新たに登録する必要がなく、行政が申請を待たずに配る「プッシュ型」で早期の支給を目指す。

中学卒業後~18歳までの高校生らは児童手当の対象外で手続きが必要だが、夫婦のうち年収の高い方が960万円未満という所得制限を設けても9割程度の子供が対象になるとされる。

大和総研の是枝俊悟主任研究員によると、公的支援がなくても教育費をまかなえる所得水準を960万円で区切る「明確な根拠はない」。ただ、コロナ禍でオンライン教育の有無など子供の教育格差も広がっているため、所得制限措置を含めて今回の支援措置は妥当とみる。

官邸に入る公明党・山口那津男代表=10日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
官邸に入る公明党・山口那津男代表=10日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

一方、野村総合研究所の木内登英(たかひで)エグゼクティブ・エコノミストは「支給対象はコロナ禍で所得が大幅に減った世帯に絞るべきだ」と指摘する。昨年4~6月期に戦後最大の崩落を記録した実質国内総生産(GDP)も、今年4~6月期にはその9割を取り戻した。今後は経済正常化に向け、飲食や観光など打撃が大きかった産業や、困窮世帯が増えた母子家庭などに重点化した支援が求められる。

木内氏の試算では、18歳以下の給付金とともに合意されたマイナンバーカード保有者への最大2万円分のポイント付与や住民税非課税世帯への現金10万円給付を合わせると、必要な予算は4兆4900億円。ただ、個人消費の押し上げ効果は1兆3720億円にとどまり費用対効果は高くない。

家計が給付金のような臨時収入を消費に回す割合は定期収入よりも低く、昨年の国民一律10万円の特別定額給付金も7割程度が貯蓄に回ったとされる。SMBC日興証券の推計では、コロナ禍で使い道がなく家計がためこんだ「過剰貯蓄」は4~6月期時点で35兆~42兆円に上る。米欧に比べて出遅れた景気回復を急ぐためにも、家計が安心して財布のヒモを開けるような消費刺激策が求められる。(田辺裕晶)

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