チーム学校

学校医 体の異変を察知、成長支える医薬のプロ

産経ニュース

頭痛や倦怠(けんたい)感、腹痛、不眠、生理不順、いらだち…さまざまな症状を訴え、子供たちは健康相談に訪れる。蜂谷さんが伝えたいのは、「困ったときは頼っていい、SOSを受け止める大人はいる」ということだ。子供だけで病院を受診できること、避妊方法なども伝え、スクールカウンセラーにつなぐこともある。

健康診断は、服を脱いだ子供の体を第三者が見られる数少ない場面でもある。実際、あかだらけの体に驚かされたケースではその後、ネグレクトが判明した。

「不調を訴えられる生徒はまだいい」と蜂谷さん。「声を上げられない子供の異変に気づき、連携して手を打つことが大切。その輪に学校医も入れてほしい」

「健康守る知識伝え、命救う」 森口久子医師

大阪府医師会理事で学校医の森口久子さん
大阪府医師会理事で学校医の森口久子さん

大阪府医師会理事で学校医を務める森口久子医師は、学校医の業務が病院での診療と最も違うのは「健康な子供も診る」ことだと説明する。

子供は小学校に上がると幼児期に比べて病気にかかりにくくなる。「そのままだと、元気な子は何年にもわたって医療の専門家の目に触れないことになる」と森口さん。だが、ときには学校生活で心身に過重な負荷がかかる場合もあり、学校医は、子供の状況を継続的に見守る役割を担う。

さらに近年、貧困や虐待などが増え、家庭環境は複雑化している。「子供と一緒に朝食を食べられなくても、『これ食べて』とのメモとパンを置くだけで、子供は愛情をしっかりと受け止める。だが、それすら難しい家庭もある」。ただ、保護者も必死に生きており、非難するだけでは問題は解決しない。

かつては家庭には踏み込みにくい一線があったというが、森口さんは、教員と教員以外の専門職が連携し、学校を中心に一つの「チーム」として子供たちをサポートする「チーム学校」の仕組みに期待を寄せる。

「私たちに、体や健康について子供たちにかみ砕いて伝える機会を与えてほしい。自分の健康を守る大切さや、子供にもその力があることも知ってもらいたい。その知識が、子供自身の命を救うことにもつながる」と森口さん。病気や投薬の知識を持つ学校医ら学校三師が果たす役割は大きい。

コロナ対応も担う「学校三師」

明治時代以降、結核やコレラなどの感染症の蔓延(まんえん)を受けて配置が進んだのが学校医だ。現在は学校歯科医、学校薬剤師とともに学校保健安全法で配置が義務付けられている。健康診断や健康相談、保健指導といったそれぞれの職務は施行規則で定められている。

学校医や学校歯科医が児童生徒と顔を合わせるのは就学前健診と毎年の定期健診が主だが、それ以外にも学校との関わりは深い。たとえば学校医は新型コロナウイルスやインフルエンザへの対応、学級閉鎖の判断、個々の子供への対応など幅広い内容について、地域の感染状況なども踏まえてアドバイスをする。

一方、学校薬剤師の大きな役割としては、教室の換気や温度、照明といった学校環境衛生に関する指導や助言がある。コロナ禍でも感染予防の基本とされる手洗いや消毒、換気の適切な方法をアドバイスした。医薬品の正しい使い方についての授業で、教員をサポートすることもある。(地主明世、吉田智香)

■連載「チーム学校」は第2第4水曜、学校を起点に子供を支援する各専門職の現場から、子供たちの抱える困難の実態や解決策を考えます。次回掲載は11月24日、スクールロイヤーのかかわる現場を取り上げます。皆さんのご意見、ご感想を募集します。住所、氏名、年齢、性別、電話番号を明記の上、郵送の場合は〒556―8661(住所不要)産経新聞大阪社会部教育班、FAX06・6633・9740、(メール)kyouikuhan@sankei.co.jpまでお送りください。

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