主張

独海軍艦艇の寄港 対中懸念を共有し連携を

産経ニュース

ドイツ海軍のフリゲート艦が、東京港に寄港した。日本訪問はおよそ20年ぶりとなる。これに先立ち、同フリゲート艦と海上自衛隊の護衛艦は、関東南方の太平洋上で共同訓練を行った。

英仏両国は今年、相次いで海軍艦艇をインド太平洋へ派遣し、日本に寄港させた。これに続いてドイツが、インド太平洋地域の平和と安定に関与する姿勢を示したことを歓迎したい。

独フリゲート艦を視察した岸信夫防衛相が、「この寄港を足掛かりに日独防衛協力のさらなる発展に力を尽くしたい」と述べたのは当然である。

艦艇寄港に合わせて来日したシェーンバッハ独海軍総監(海上幕僚長に相当)は、インド太平洋へ「2年に1度は艦艇を派遣したい」と述べ、日豪両国などと連携を強めたい考えを示した。

日独両国は今年3月、軍事やテロ情報の機密漏洩(ろうえい)を防ぐ情報保護協定を結んだ。4月には外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を初めて開催した。

ドイツは欧州連合(EU)を牽引(けんいん)する大国で、基本的価値を日本と共有する。日独防衛協力の推進は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に寄与する。

ただし、ドイツは今回の艦艇派遣に当たって、中国に上海寄港を持ちかけて拒否されている。英仏両国が厳しい対中姿勢をとるようになったのと比べ、ドイツには過度の対中配慮から抜けきれていない面がある。

近く退任するメルケル独首相は16年間の在任中、12回も訪中して蜜月関係を築き、中国経済の成長を自国経済の成長につなげた経緯がある。

独政府は昨年9月、外交戦略である「インド太平洋指針」を決定し、海洋の自由の重要性など中国を牽制(けんせい)する原則を盛り込んだ。

ドイツにとって中国は最大の貿易相手国だが、中国がドイツ企業などに自国企業への技術移転を強要したり、香港や新疆ウイグル自治区で人権弾圧を続けたりしていることを問題視する機運が高まっている。

ポスト・メルケル政権は、「インド太平洋指針」を踏まえ、中国に軸足を置いた外交政策を見直すとみられている。日本は中国に関する安全保障上の懸念をドイツ政府や世論に繰り返し伝え、対中政策での連携を深めるべきだ。

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