相次ぐ電車内での重大事件 関西各社の車内カメラ設置は低調

産経ニュース
関西の鉄道の主な防犯対策
関西の鉄道の主な防犯対策

東京・京王線の車内で10月31日、乗客が男に刺されるなど17人が負傷、今月8日には九州新幹線で男が液体をまき、ライターで火を付けるなど鉄道車内での事件が相次いでいる。被害を最小限に食い止め、乗客を円滑に避難させるために有効とされるのが車内カメラだ。しかし費用面やプライバシー確保の問題もあり、関西の鉄道各社では導入が進んでいない。

走行中は閉鎖空間となる鉄道車内。車内カメラは犯罪抑止効果も期待できる半面、設置費用などの課題もある。今回刺傷事件が起きた京王線の車両にはカメラはなかった。

斉藤鉄夫国土交通相は事件を受けた2日の会見で、「鉄道の安全は国民生活に深く関わる」と話した一方、設置に関する国の財政支援について「(事件の)原因究明の結果を見ながら検討していく」と述べるにとどめた。

「東京五輪・パラリンピックのテロ対策で首都圏では車内カメラの設置が進んだが、そのほかの地域では遅れている」と指摘するのは、鉄道ジャーナリストの梅原淳氏だ。

関西では車内カメラの導入は一部にとどまっている。JR西日本は、山陽新幹線と北陸新幹線ではほぼ全ての車両でカメラを設置し、指令所での映像確認が可能だ。一方、在来線では一部特急に導入されているが、通勤通学での利用が多い列車ではほとんど取り入れられていないという。

京阪電鉄も最近導入した新型車両など京阪線を走る52両に車内カメラを設ける。だが設置率は全体の1割以下といい、映像もリアルタイムでは確認できない。大阪メトロも主要路線の御堂筋線を走る新型車両で設置しているが、同じくリアルタイムでの監視はしていないという。

南海電鉄は特急「ラピート」などで扉付近にカメラを付けているものの、客室は写していない。また阪急電鉄と阪神電鉄には車内カメラが付いた車両はないという。近畿日本鉄道は、一部の特急電車で記録用のカメラを整備している。

ある鉄道会社の関係者は「費用の問題もあるが、安全確保とプライバシー保護の両立が求められる。どこまで踏み込んだ対策が許容されるのか社会的な合意も必要だ」と障壁の高さをにじませる。

駅や車内での殺傷事件が相次ぐ今、鉄道各社にとって犯罪対策は喫緊の課題といえる。梅原氏は、痴漢を含めた車内での犯罪を防ぐ観点からも、カメラを積極的に導入するべきだとした上で、「大量の映像を常時チェックするには運用面でも大きな負担となる。人工知能(AI)での解析など、技術面でも国の支援や鉄道会社間の情報共有が求められる」と話している。

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