コロナ禍に院内でロケ 〝新日常の映画〟支える病院の覚悟

産経ニュース
丸子中央病院=長野県上田市(原田成樹撮影)
丸子中央病院=長野県上田市(原田成樹撮影)

ニューノーマルの撮影

プロデューサーの新田博邦氏にとって丸子中央病院は、同じく上田市を舞台にした映画「兄消える」の満員御礼コンサートの場所としてロビーを提供してもらった縁がある。

今回は、作品の舞台が病院。「セットでもごまかしながら撮影はできるが、病院の空間を撮っていくのは病院でしかできない」(ウー監督)ため、ロケ地としての提供を打診した。

「コロナでエンターテインメントの方々も困っている。ニューノーマル(新日常)時代の撮影の第一歩がこの病院となれば光栄」と丸山和敏理事長。断るのは簡単だったが、あえて撮影をやる理由を探し、障害をつぶしていった。

出演者やスタッフは全員、抗原検査で陰性を証明し、毎日の体温計測と体調確認も行って、異常があればすぐPCR検査もする。映画のスタッフと病院のスタッフが同じ空間に交わらないように時間を細かく調整も行った。「ここからクラスターを絶対に出さない」と丸山理事長は覚悟を示す。

通常であれば、上田市民を対象にエキストラなどを募集して地域としても盛り上げるが、今回は感染対策が難しいため、非番の病院スタッフやその家族などに限定して出演してもらうという。

海外を念頭に

撮影は10~12日間。年内を目標に編集を終えて海外の映画祭などに出品し、来年2月ごろに公開・配信する予定。500人が臨んだオーディションから主役に選ばれた岩瀬のほか、次点だった佐藤有里(21)も看護師役として出演する。

ウー監督は「秘密主義なので詳細は明かさないが、80%は海外の映画祭を念頭にしており、オリエンティック(東洋的)なところが見られる。春夏秋冬をしっかり表現し、わびさびや、病気に対する備えのようなもので海外の人をはっとさせる。単純なものでなく醸し出していかなければならない」と話している。(原田成樹)

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