川勝氏発言に県議会自公など抗議 支持会派も不満

産経ニュース
川勝平太静岡県知事に抗議文を提出した県議会の自民改革会議の野崎正蔵代表(中央)と公明党県議団の蓮池章平団長(右)=9日、県庁(岡田浩明撮影)
川勝平太静岡県知事に抗議文を提出した県議会の自民改革会議の野崎正蔵代表(中央)と公明党県議団の蓮池章平団長(右)=9日、県庁(岡田浩明撮影)

「知事の不適切な発言に対する抗議文を県議49人の連名をもって提出させていただきます。お受け取りください。以上です」

9日午後2時、静岡県庁の知事室。県議会最大会派の自民改革会議の野崎正蔵代表は、川勝平太知事にこう伝えて抗議文を手渡すと、同行した公明党県議団の蓮池章平団長とともに足早に部屋を後にした。憮然(ぶぜん)とした表情で見送る川勝氏。県議会や6月の県知事選などで対立する、知事と自民党との〝冷戦〟を象徴する一幕だった。

問題の発言は、参院静岡選挙区補欠選挙の選挙戦最終日の10月23日夜、元御殿場市長で自民公認の若林洋平氏と争った野党系候補、山崎真之輔氏の地元である浜松市での応援演説の中でのこと。「あちらはコシヒカリしかない。ただ飯だけ食ってそれで農業だと思っている。こちらにはウナギがある。なんでもある」などと述べていた。

抗議文は自民改革会議(40人)、公明党県議団(5人)と共産党県議1人を含む無所属4人の計49人の連名。川勝氏の発言について「一部地域を差別し、辱める発言は言語道断。断じて容認できない」「誤解されたなどと言い訳に終始し、反省の色は見られない」と指摘している。

野崎氏は抗議文提出後、同日昼の川勝氏の記者会見について、記者団に「納得できるような会見だったと思いますか?」と逆質問し、「火を消すどころか、火に油を注ぐような会見だった」と切り捨てた。川勝氏に対する不信任決議案や辞職勧告決議案の提出に関しては「いろいろな手法がある。その中で対応を考えていきたい」と述べるにとどめた。蓮池氏は「県民の多くは心を痛めている。謝罪すべきだ」と強調した。

一方、知事を支える第2会派「ふじのくに県民クラブ」の佐野愛子会長らは、記者会見を終えたばかりの川勝氏と知事室で面会した。会派側が、デジタル社会への対応など以前から予定していた政策提言を一通り説明すると、川勝氏は席上、「まっ、お茶でも飲んでください」と促し、こう切り出した。

「(ふじのくに県民クラブから)記者会見を持つべきだとのアドバイスをいただき、早速、実行しました。いいアドバイスはすぐに…。善は急げです」

大勢の報道陣が囲む公開の席上で、なぜその話題に触れるのか-。感謝してみせる川勝氏に対し、佐野氏は湯のみを手に思わず表情をゆがめた。会派側が「会見内容に不満な人たちがいる」「誤解を解いて本来の県政推進を」と苦言を呈しても、川勝氏から明確な返答は得られなかった。

佐野氏は面会後、記者団に「謝罪の会見をお願いしたつもりだったが、謝罪にはなっていなかった。『誤解を与えた。申し訳ない』と発言してほしかった」と不満を表明した。

県によると、8日夕までに県民からの苦情や批判は約370件に達した。川勝氏の9日の臨時会見後も「謝ってほしかった」「言い訳ばかりだ」との声が寄せられたという。

知事選、参院補選、そして先の衆院選で深まる川勝氏と自民の確執は「コシヒカリ」発言をきっかけに、一段と先鋭化しつつある。

地方自治法によると、知事に対する不信任決議案の可決には出席議員の4分の3以上の賛成が必要だ。可決すれば、知事は辞職か県議会解散かのいずれかを迫られる。解散を受けた県議選後の新しい議会勢力で改めて不信任決議案を提出し、2分の1以上が賛成して可決されれば、知事は失職する。

現在の県議会勢力でみると、自民改革会議などが不信任決議案を提出し、県議全67人が出席した場合、抗議文に賛同した49人の賛成だけでは4分の3以上(51人以上)には足りない。

一方、「辞職勧告」「問責」「糾弾」の各決議案は出席議員の2分の1以上の賛成で可決されるが、決議自体に法的な拘束力はない。


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