がん電話相談から

悪性度高い乳がん、再発が心配

産経ニュース

Q 73歳女性です。昨年10月、健康診断のマンモグラフィーで異常を指摘され、精密検査の結果、左乳がんと診断されました。その後、左乳房全摘術とセンチネルリンパ節(リンパ節転移を起こすなら最初に転移すると考えられるリンパ節)の生検を受けたところ、リンパ節には、0・5ミリ大の転移も見つかり、ステージはⅡbでした。ホルモン受容体陽性、HER2陰性の「ホルモン型乳がん」と言われました。がんの増殖能力を示す「Ki67値」が87%と極めて高く、がんの悪性度を示す「組織グレード」も、3段階で最も高い3でした。今の病状をどう受け止めてよいか分からず、とても不安です。

がん研有明病院の高野利実・乳腺内科部長
がん研有明病院の高野利実・乳腺内科部長

A 術後はどのような治療を受けましたか。

Q 術後化学療法として、EC療法(抗がん剤のエピルビシンとシクロホスファミドを点滴で投与)を2週間ごとに4サイクル受けた後、パクリタキセル投与を2週間ごとに4サイクル受けました。担当医からは、化学療法を受けない場合の再発率は約30%で、化学療法を受けた場合は8%ほど下がり、22%になると説明されました。

A リンパ節転移があったといっても、1ミリにも満たない「微小転移」ですので、再発率はそこまで高くないように思います。化学療法によって再発を免れる人が100人中8人程度というのは、それくらいでしょう。化学療法を2週間ごとに投与するのは「ドースデンス療法」というもので、かつて標準とされた3週間ごとの投与よりも効果が高いとされています。ドースデンスでEC療法とパクリタキセルを使うというのは、現時点で最も効果の高い化学療法のメニューですが、きつくはなかったですか。

Q 吐き気などの副作用はありましたが、それほどきつくありませんでした。

A ホルモン受容体陽性ということですが、ホルモン療法は受けていますか。

Q 化学療法終了後、アナストロゾールを内服しています。

A アロマターゼ阻害薬ですね。標準的なホルモン療法で、化学療法以上に重要な治療ですので、副作用が問題なければきちんと続けるのがよいでしょう。

Q 近く骨密度の検査も予定されています。

A アロマターゼ阻害薬には、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を進め、骨折を起こしやすくなるという副作用がありますので、骨密度検査の結果によっては、骨粗鬆症の薬を併用することもあります。

Q Ki67値が87%と高いことが頭から離れません。

A 確かに高い数字ではありますが、それも考慮されて、最も強力な化学療法も受けたわけですので、今受けているホルモン療法も含めて、「やるべきことはやっている」といえます。Ki67値が高い方が化学療法の効果は高いですので、悪い話ばかりでもありません。基本的には、乳がんは治ったものだと考えて、これから過ごしていくので大丈夫です。乳がんの再発以外にもいろいろなことが起こりうる中で、乳がんの再発のことばかり気にするのは、バランスを欠いているようにも思います。あまり考えすぎず、日々を楽しく過ごすのがよいと思いますよ。

■Ki67値 腫瘍の増殖能力を示す代表的な指標。増殖性細胞だけで発現する「Ki67タンパク質」が、がん細胞のうちの何%にみられるかを示している。Ki67の値が高いほど、がんの悪性度が高い。

回答は、がん研有明病院乳腺内科部長、高野利実医師が担当しました。

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