消費者不在、お粗末なドタバタ劇 関西スーパー

産経ニュース
関西ス-パーの臨時株主総会の会場に向かう株主ら=10月29日、兵庫県伊丹市(前川純一郎撮影)
関西ス-パーの臨時株主総会の会場に向かう株主ら=10月29日、兵庫県伊丹市(前川純一郎撮影)

関西スーパーマーケットの経営権取得をめぐるエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングとオーケー(横浜市)の争奪戦が〝延長戦〟に突入した。一度は決着したはずの統合案の集計が蒸し返されることとなり、関西スーパーとオーケーの主張が対立するドタバタ劇。3社ともイメージダウンは避けられない。統合後の相乗効果も示せないまま、消費者置き去りの議論が再開した。

9日の東京株式市場では、関西スーパー株に買い注文が殺到。値幅制限上限のストップ高となる前日比300円高の1535円で取引を終えた。

オーケーが再び関西スーパーの買収に動くとの思惑から買われたとみられ、在阪証券アナリストは「短期的な利益を狙った個人投資家の注文が集まったようだ」と分析する。

オーケーは総会の集計作業について、「統合にかかわる議案は本来『否決』となるべきものだったのに、結果が恣意(しい)的に歪(ゆが)められた」と指摘。一方で関西スーパーは「事実誤認に基づく著しく不適切かつミスリーディングな主張を展開するもので、到底看過できない」とし、オーケーの主張に真っ向から反論する。

だが、あるアナリストは「事前投票の内容と、総会当日の投票をID番号などで照合していれば(早めに株主の真意を確認するなどして)ドタバタを防げた。関西スーパーの対応はお粗末だ」と手厳しい。

統合の議論は、肝心の消費者不在のまま進められてきた。H2Oの荒木直也社長は5日の記者会見で、傘下スーパー2社との統合後の相乗効果が令和6年以降に出るとの見通しを示した。だが、具体的な経営方針は「今後の宿題」として明言を避けており、消費者にどんなメリットがあるのかまだ示されていない。

そこへ対立が再燃。帝国データバンク大阪支社の昌木裕司情報部長は「関西スーパーの利用者がすぐに離れることはないだろうが、争いが続けばマイナス要素にしかならない。事態がさらに悪化すればH2Oも厳しい立場に追い込まれる」と指摘。消費者離れがありうると予想する。

岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部長は「不安を感じる消費者もいるはずだし、関西スーパーの従業員も落ち着いて働けないだろう。司法判断が出れば、早く正常化すべきだ」と話している。(井上浩平、黒川信雄)

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